野獣先輩って何。 何度も言うけど、僕は野獣先輩ではありません

野獣先輩の歴史を考察。人気の背景、作品の発掘時期など徹底網羅します!

野獣先輩って何

「野獣先輩が生きていた」 「野獣先輩は現実に存在している!」 「四章は再びやってくる!」 群衆は熱狂の内に次々と騒ぎ始め、その内包する容量と同量かそれ以上の熱量を現出させていた。 その地表を……正確には、その中心点を、のび太達は緊張に生唾を飲み込みながら見ていた。 「あれが……野獣先輩……。 本物の?」 「そんなわけねえだろ!?……発売した年が二十四歳なら、今では四十代も後半のはずだぜ。 だけれど、あの野獣先輩は、俺たちがニコニコのMADで見せた表情とまるで同じだ!」 「だけど……野獣先輩がそこに居るんだ!ここにいる人たちはあの中心にいる人を、確かに野獣先輩として崇めている。 野獣先輩という形が、そのまま現実に現れたとでも!?」 スネ夫が叫ぶように言葉を発すると、その後ろでドラえもんが何かを思いついたような顔をした。 いや、あれは何かに気付いた顔か。 「__________……のび太君。 今すぐ君の家に向かおう。 僕たちはそうしなければならなくなった」 「え?そうしなければって、どういうことなんだよ、一体!」 「時空犯罪者だよ!」 ドラえもんは一喝、叫ぶようにして事実を伝えた。 「僕は、この現象は道具の効果、つまりはネコシャクシビールスの効果が何らかの影響を受けて変容したと思っていたし、だからその観点から解決法を探ろうとしたんだ。 だけど、これは……」 そこでドラえもんは言葉を切り、遥か足元に視線を寄越した。 つられてのび太たちも足元に集団する人々を見る。 「これは、明らかに異常だ。 もちろんこんな風に大量の人間を惑わせる道具もあるにはあるんだけど、問題はそこじゃない。 その中心。 人々を熱狂に渦巻かせる張本人が、野獣先輩という非実在の存在であるということなんだ」 「確かにあの野獣先輩は、僕たちの知る野獣先輩だけど……非実在ってどういう事?今もそこで……うわっ!交通人をホモレイプしているじゃないか!」 「いやだわ……」 「きたねえ」 「喘ぎ声がうるさい……」 のび太たちは辟易とした顔で足元の乱痴気騒ぎを眺めている。 フゥンホォン等騒ぎながらレイプを続けている野獣先輩は、交通人に見せつけながらしたり顔である。 受け側もまんざらではない表情で、その周囲を取り囲みスマホのカメラを向けている群衆に遠野の真似をするなど余裕そうであった。 「しかし、こうして実際に見てみると……」 「おう、そうだな」 「正直私もびっくりしたわ」 「そうだね……野獣先輩のセックスって、本当に面白いんだなあ」 それがのび太達の、ひいてはこの場にいて野獣先輩を視界に収める人々全ての統一見解であった。 皆一様にして、茶色い肌に汗を浮かせ、「ヌッ!」だの「オォン!」だの言いながらガン掘りを続けている野獣先輩を眺め続けている。 群衆はその様子をカメラで撮影しながら、同時進行でBB化を進め、新BB素材も続々と投稿されている。 帰ってきた野獣先輩BB。 通行人をレイプする人間の屑BB。 ファンサービスを欠かさない人間の鑑BB。 ほんとうるせえなこいつBB等、降って湧いた、しかも現在進行形で増加し続ける新素材に、大勢の人が創作意欲を刺激されていた。 「もう!皆そんなに夢中にならないでよ!その野獣先輩が問題なんだから!」 惚けて見守る四人に対し、ドラえもんは厳しい言葉を浴びせて正気に戻させた。 「あっ、ごめんドラえもん。 それで非実在って、時空犯罪者ってどういうことなの?」 「ああ、それは……。 話しながらのび太君の家に行こうか」 「え、うん。 分かったよ」 五人は神妙な表情を維持したままのドラえもんを中心に、群衆が沸き立つ中心から離れていった。 未だに面白セックスを続けている野獣先輩を名残惜しそうに視界から消し去ると、一直線に家々のはるか上を飛んでいく。 その最中にドラえもんは説明を続けた。 「まず、君たちもみたとおり、あの中心にいたのは野獣先輩だった。 そうだね?」 「ええ、確かにあれは私たちが直前までスネ夫さん家で見ていたビデオにそっくりだったわ」 「うん。 僕は皆よりもほんへを見ているから保証するよ」 「……それだ、それがおかしいんだよ」 ドラえもんは暗澹たる顔で仄暗く言を発した。 「僕たちがネコシャクシビールスで広めた野獣先輩というのは、女の子だったはずだ。 スネ夫君の家に行く途中に見た増える野獣先輩も、あの時点では確かに乳房や女性器が付着していた。 だけど……」 そこでドラえもんは眼下に広がる住宅街へと視線を向けた。 同じ様に他四人も無言のままに視線を向ける。 うわさを聞き付けた人々がはるか後方へとどんどん走っていき、空っぽになった家々には増殖した野獣先輩が生えていた。 しかし、その茶色の肌にはどこにも不自然に膨張した胸部など見られず、不自然な言い方であるが、ただの野獣先輩として存在していた。 「……今は、僕らがホモビデオで見ている野獣先輩になっている。 ソノウソホントも、アトカラホントスピーカーも効かなかったのに。 そう、今は。 野獣先輩が現実に出現した今になっては!」 「ええと、つまりドラちゃんは、「女の子の野獣先輩」が「普通の野獣先輩」になったのは、あのたくさんの人混みの中にいた野獣先輩が原因だと言いたいの?」 しずかが曖昧に理解しようとしながら尋ねれば、ドラえもんは顔を強ばらせたまま返答した。 「そうは言い切れないけど、ぼくは関係があると思っている。 「偶然」野獣先輩女の子説が常識として拡散されて、「偶然」異常な効果を発揮し、「偶然」野獣先輩が現実に現れて、「偶然」異常な効果の一部が直るなんて、そんなことはあり得ない!」 「そりゃあそうだけどよう。 じゃあなんでこんなことになってるんだよ」 「そこで、時空犯罪者だよ」 「え?」 のび太は、自分が会話の初めに出した何の気ない言葉を再び出され、虚を突かれる思いをした。 今まで何度も対峙した、恐ろしい敵である時空犯罪者と、野獣先輩という間抜けな単語が結びつかなかった、というのもあるが。 「じ、時空犯罪者って、恐竜時代のドルマンスタインや、石器時代のギガゾンビとかと同じの!?野獣先輩が!?」 「その通り。 僕たちの日常には、歴史には、野獣先輩はここまで広く認知されていなかったし、現実にも存在していなかった。 だけど今はすっかり異なってしまっている。 これは明らかな歴史改変だ!」 「歴史改変……」 ドラえもんを除いた四人には、告げられた言葉を素直に飲み込めず、互いに顔を見合わせた。 今まで歴史を改変しようとするその場に出会ったことはあれど、改変し終わった状況はこれが初めて出会ったからだ。 第一、改変されたとしてなぜ自分たちはあの群衆のように熱狂していないのか?という疑問も存在した。 「で、でもドラえもん。 僕たちは今こうして疑問に思えているじゃないか。 歴史が改編されているとしたら、僕たちも疑問にも思わずに野獣先輩を追いかけているんじゃないの?」 「それは、のび太君。 君が皆にかけた情報拡散防止液の効果だと思う。 あれを事前にかけておいたからこそ、僕たちは異常であると気付くことが出来た」 「えっ!じゃあぼくのおかげで皆が助かったって事?へへえ、ぼくもなかなかやるじゃないの!」 「おおっ!やるじゃねえかのび太!歴史を変えた奴も、俺たちが助かってるなんて考えてもいないだろうよ!」 「いや、それはどうだろう」 沸き立つのび太とジャイアンに、ドラえもんはピシャリと否定の言葉を浴びせかけた。 「時空犯罪者は、その時代を自分の都合がいいように変える犯罪者だけれども、何もないところに改変を加えるよりは、元々何かがあったところに追加で改変を加えた方がやりやすいんだよ。 風使いの谷のドクターストームを覚えているかい?」 「ああ……あのマフーガを呼び出して世界を滅亡させようとした奴。 あとぼくを洗脳した奴だ!」 「そう。 そのストームは二十二世紀で見つけた予言に従って歴史を改変しようとした。 何でだと思う?改変したいならもっと別の方法もあるだろう?」 「それは……そうね。 むしろ回りくどいわ。 とすると、ドラちゃんが言った通り?」 「うん。 その予言は起こる可能性のあった予言だった。 普通に二十世紀に兵器を持ち込んでも世界の流れに邪魔されて上手くいかないだろうけど、起こるかもしれなかった予言に沿って行えば、言うなれば「歴史的」だったんだ。 他にはギガゾンビも同じだね。 あの時代に世界を征服しようとするなら、大陸を追われて日本に流れ着いたヒカリ族よりも、他民族を支配していたクラヤミ族の方を利用した方が「歴史的」だった」 「なるほど……。 じゃあぼくが野獣先輩女の子説を広めようとするのを、改変の犯人は知っていたって事?」 「そうなるね。 でもそうなると犯人はドラえもんが居ることは知っていたんだろ?こうして僕たちが効果を受けない可能性は考えなかったの?」 「うーん。 そこはぼくも分からないなあ。 もしくは僕たちがどんなことをしようと邪魔されない自信があるのか……」 「くそっ!なめやがって!」 ジャイアンが悔しがり、スネ夫が諦念に沈む横で、のび太は自身が情報拡散防止液をこぼしたときのことを思い出していた。 ずっと頭の隅に引っかかっていたあの体験。 あの異常な精神状態をのび太は今冷静に見つめることが出来た。 あれは尋常ではなかった。 強烈な希死願望に纏わり付いた思想が、前触れ無しに突然脳内に浮かび上がってきたのだ。 「もしかして」 「ん?」 「……ドラえもん。 最初にスネ夫の家に行ったとき、ぼくは反ミーム液をこぼしただろう?あの時、実は反ミーム液を持つのが突然嫌になって自分から放り投げたんだ。 今思うとおかしいなって。 もしかしたらこれは犯人がぼくに何かやったことなんじゃないか……」 「……なるほど。 そんなことが……。 のび太君の言うことだし、こんな状況だから嘘を吐かないだろうけど。 でも本当に影響がそれだけなのか……。 他に何か、のび太君自身に対して何かされているんじゃないか……」 「え、ええっ!?」 ドラえもんは難しい顔をしたまま、判別のつかぬといった様子で腕組みをして考え込んでいる。 のび太は不安に駆られたまま次の言葉を待つも、依然としてドラえもんは無言のまま腕を組んでいる。 一瞬、タケコプターの駆動音のみが空中に響くことになったが、数秒の後、ジャイアンがドン、と胸を叩いて口を開いた。 「まっ、つまりは犯人が俺たちを邪魔するつもりで失敗したって事じゃないか。 てことは俺たちが存分に邪魔を出来るって事だろ?ギッタギタのメッタメタにしてやろうぜ!」 勇気づけるように威勢よく声をならせば、のび太も自信の身に起こった異常に対して幾ばくの余裕も生まれるもので、仄かに笑みを浮かべた。 「……うん。 そうだね!こんな気持ち悪いステハゲ塗れの世界にしたキチガイを、ぶん殴ってやろうよ!」 「そうね!出木杉さんや他の皆も元に戻さなくちゃね」 「ぼくのママだって!」 しずかとスネ夫も便乗し、景気のいい言葉を発する。 さて、決意を固めた四人は、未だに思案しているドラえもんをじっと見つめた。 彼は子守りロボットだ。 万が一、すでにのび太が何らかの方法によって手遅れになっていたとしたら……。 そう考えるとどうしても行動するわけにはいかなかった。 しかし、当ののび太が口を開く。 「ドラえもん。 ぼくのことは心配しなくていいよ。 だってこの騒動の犯人がぼくに何かを仕掛けたとしたら、それは邪魔をする僕らを邪魔するためのものだ。 だったらその前に犯人を倒せばいいじゃないか!」 「のび太君……もう、短絡的なんだから……」 言葉とは裏腹に、ドラえもんは薄く笑みを浮かべた。 本人がその木ならしょうがない、と、安全を訴える自身の思考を無視する。 なにせドラえもんは、野比のび太が臆病だけど勇気がある奴だと、長い付き合いで知っているのだ。 「よし、皆行こう!こんなクッソ汚い世界を戻すため、発売日の2001年7月20日以前へ、あの真夏へと!」 「オーッ!」 ドラえもんに先導され、皆が鬨の声を上げる。 すでにのび太の家には到着し、その部屋の引き出しの中にあるタイムマシンは静かに駆動の時を待っていた。

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僕は芳賀涼平です。野獣先輩ではありませんって話

野獣先輩って何

「野獣先輩が生きていた」 「野獣先輩は現実に存在している!」 「四章は再びやってくる!」 群衆は熱狂の内に次々と騒ぎ始め、その内包する容量と同量かそれ以上の熱量を現出させていた。 その地表を……正確には、その中心点を、のび太達は緊張に生唾を飲み込みながら見ていた。 「あれが……野獣先輩……。 本物の?」 「そんなわけねえだろ!?……発売した年が二十四歳なら、今では四十代も後半のはずだぜ。 だけれど、あの野獣先輩は、俺たちがニコニコのMADで見せた表情とまるで同じだ!」 「だけど……野獣先輩がそこに居るんだ!ここにいる人たちはあの中心にいる人を、確かに野獣先輩として崇めている。 野獣先輩という形が、そのまま現実に現れたとでも!?」 スネ夫が叫ぶように言葉を発すると、その後ろでドラえもんが何かを思いついたような顔をした。 いや、あれは何かに気付いた顔か。 「__________……のび太君。 今すぐ君の家に向かおう。 僕たちはそうしなければならなくなった」 「え?そうしなければって、どういうことなんだよ、一体!」 「時空犯罪者だよ!」 ドラえもんは一喝、叫ぶようにして事実を伝えた。 「僕は、この現象は道具の効果、つまりはネコシャクシビールスの効果が何らかの影響を受けて変容したと思っていたし、だからその観点から解決法を探ろうとしたんだ。 だけど、これは……」 そこでドラえもんは言葉を切り、遥か足元に視線を寄越した。 つられてのび太たちも足元に集団する人々を見る。 「これは、明らかに異常だ。 もちろんこんな風に大量の人間を惑わせる道具もあるにはあるんだけど、問題はそこじゃない。 その中心。 人々を熱狂に渦巻かせる張本人が、野獣先輩という非実在の存在であるということなんだ」 「確かにあの野獣先輩は、僕たちの知る野獣先輩だけど……非実在ってどういう事?今もそこで……うわっ!交通人をホモレイプしているじゃないか!」 「いやだわ……」 「きたねえ」 「喘ぎ声がうるさい……」 のび太たちは辟易とした顔で足元の乱痴気騒ぎを眺めている。 フゥンホォン等騒ぎながらレイプを続けている野獣先輩は、交通人に見せつけながらしたり顔である。 受け側もまんざらではない表情で、その周囲を取り囲みスマホのカメラを向けている群衆に遠野の真似をするなど余裕そうであった。 「しかし、こうして実際に見てみると……」 「おう、そうだな」 「正直私もびっくりしたわ」 「そうだね……野獣先輩のセックスって、本当に面白いんだなあ」 それがのび太達の、ひいてはこの場にいて野獣先輩を視界に収める人々全ての統一見解であった。 皆一様にして、茶色い肌に汗を浮かせ、「ヌッ!」だの「オォン!」だの言いながらガン掘りを続けている野獣先輩を眺め続けている。 群衆はその様子をカメラで撮影しながら、同時進行でBB化を進め、新BB素材も続々と投稿されている。 帰ってきた野獣先輩BB。 通行人をレイプする人間の屑BB。 ファンサービスを欠かさない人間の鑑BB。 ほんとうるせえなこいつBB等、降って湧いた、しかも現在進行形で増加し続ける新素材に、大勢の人が創作意欲を刺激されていた。 「もう!皆そんなに夢中にならないでよ!その野獣先輩が問題なんだから!」 惚けて見守る四人に対し、ドラえもんは厳しい言葉を浴びせて正気に戻させた。 「あっ、ごめんドラえもん。 それで非実在って、時空犯罪者ってどういうことなの?」 「ああ、それは……。 話しながらのび太君の家に行こうか」 「え、うん。 分かったよ」 五人は神妙な表情を維持したままのドラえもんを中心に、群衆が沸き立つ中心から離れていった。 未だに面白セックスを続けている野獣先輩を名残惜しそうに視界から消し去ると、一直線に家々のはるか上を飛んでいく。 その最中にドラえもんは説明を続けた。 「まず、君たちもみたとおり、あの中心にいたのは野獣先輩だった。 そうだね?」 「ええ、確かにあれは私たちが直前までスネ夫さん家で見ていたビデオにそっくりだったわ」 「うん。 僕は皆よりもほんへを見ているから保証するよ」 「……それだ、それがおかしいんだよ」 ドラえもんは暗澹たる顔で仄暗く言を発した。 「僕たちがネコシャクシビールスで広めた野獣先輩というのは、女の子だったはずだ。 スネ夫君の家に行く途中に見た増える野獣先輩も、あの時点では確かに乳房や女性器が付着していた。 だけど……」 そこでドラえもんは眼下に広がる住宅街へと視線を向けた。 同じ様に他四人も無言のままに視線を向ける。 うわさを聞き付けた人々がはるか後方へとどんどん走っていき、空っぽになった家々には増殖した野獣先輩が生えていた。 しかし、その茶色の肌にはどこにも不自然に膨張した胸部など見られず、不自然な言い方であるが、ただの野獣先輩として存在していた。 「……今は、僕らがホモビデオで見ている野獣先輩になっている。 ソノウソホントも、アトカラホントスピーカーも効かなかったのに。 そう、今は。 野獣先輩が現実に出現した今になっては!」 「ええと、つまりドラちゃんは、「女の子の野獣先輩」が「普通の野獣先輩」になったのは、あのたくさんの人混みの中にいた野獣先輩が原因だと言いたいの?」 しずかが曖昧に理解しようとしながら尋ねれば、ドラえもんは顔を強ばらせたまま返答した。 「そうは言い切れないけど、ぼくは関係があると思っている。 「偶然」野獣先輩女の子説が常識として拡散されて、「偶然」異常な効果を発揮し、「偶然」野獣先輩が現実に現れて、「偶然」異常な効果の一部が直るなんて、そんなことはあり得ない!」 「そりゃあそうだけどよう。 じゃあなんでこんなことになってるんだよ」 「そこで、時空犯罪者だよ」 「え?」 のび太は、自分が会話の初めに出した何の気ない言葉を再び出され、虚を突かれる思いをした。 今まで何度も対峙した、恐ろしい敵である時空犯罪者と、野獣先輩という間抜けな単語が結びつかなかった、というのもあるが。 「じ、時空犯罪者って、恐竜時代のドルマンスタインや、石器時代のギガゾンビとかと同じの!?野獣先輩が!?」 「その通り。 僕たちの日常には、歴史には、野獣先輩はここまで広く認知されていなかったし、現実にも存在していなかった。 だけど今はすっかり異なってしまっている。 これは明らかな歴史改変だ!」 「歴史改変……」 ドラえもんを除いた四人には、告げられた言葉を素直に飲み込めず、互いに顔を見合わせた。 今まで歴史を改変しようとするその場に出会ったことはあれど、改変し終わった状況はこれが初めて出会ったからだ。 第一、改変されたとしてなぜ自分たちはあの群衆のように熱狂していないのか?という疑問も存在した。 「で、でもドラえもん。 僕たちは今こうして疑問に思えているじゃないか。 歴史が改編されているとしたら、僕たちも疑問にも思わずに野獣先輩を追いかけているんじゃないの?」 「それは、のび太君。 君が皆にかけた情報拡散防止液の効果だと思う。 あれを事前にかけておいたからこそ、僕たちは異常であると気付くことが出来た」 「えっ!じゃあぼくのおかげで皆が助かったって事?へへえ、ぼくもなかなかやるじゃないの!」 「おおっ!やるじゃねえかのび太!歴史を変えた奴も、俺たちが助かってるなんて考えてもいないだろうよ!」 「いや、それはどうだろう」 沸き立つのび太とジャイアンに、ドラえもんはピシャリと否定の言葉を浴びせかけた。 「時空犯罪者は、その時代を自分の都合がいいように変える犯罪者だけれども、何もないところに改変を加えるよりは、元々何かがあったところに追加で改変を加えた方がやりやすいんだよ。 風使いの谷のドクターストームを覚えているかい?」 「ああ……あのマフーガを呼び出して世界を滅亡させようとした奴。 あとぼくを洗脳した奴だ!」 「そう。 そのストームは二十二世紀で見つけた予言に従って歴史を改変しようとした。 何でだと思う?改変したいならもっと別の方法もあるだろう?」 「それは……そうね。 むしろ回りくどいわ。 とすると、ドラちゃんが言った通り?」 「うん。 その予言は起こる可能性のあった予言だった。 普通に二十世紀に兵器を持ち込んでも世界の流れに邪魔されて上手くいかないだろうけど、起こるかもしれなかった予言に沿って行えば、言うなれば「歴史的」だったんだ。 他にはギガゾンビも同じだね。 あの時代に世界を征服しようとするなら、大陸を追われて日本に流れ着いたヒカリ族よりも、他民族を支配していたクラヤミ族の方を利用した方が「歴史的」だった」 「なるほど……。 じゃあぼくが野獣先輩女の子説を広めようとするのを、改変の犯人は知っていたって事?」 「そうなるね。 でもそうなると犯人はドラえもんが居ることは知っていたんだろ?こうして僕たちが効果を受けない可能性は考えなかったの?」 「うーん。 そこはぼくも分からないなあ。 もしくは僕たちがどんなことをしようと邪魔されない自信があるのか……」 「くそっ!なめやがって!」 ジャイアンが悔しがり、スネ夫が諦念に沈む横で、のび太は自身が情報拡散防止液をこぼしたときのことを思い出していた。 ずっと頭の隅に引っかかっていたあの体験。 あの異常な精神状態をのび太は今冷静に見つめることが出来た。 あれは尋常ではなかった。 強烈な希死願望に纏わり付いた思想が、前触れ無しに突然脳内に浮かび上がってきたのだ。 「もしかして」 「ん?」 「……ドラえもん。 最初にスネ夫の家に行ったとき、ぼくは反ミーム液をこぼしただろう?あの時、実は反ミーム液を持つのが突然嫌になって自分から放り投げたんだ。 今思うとおかしいなって。 もしかしたらこれは犯人がぼくに何かやったことなんじゃないか……」 「……なるほど。 そんなことが……。 のび太君の言うことだし、こんな状況だから嘘を吐かないだろうけど。 でも本当に影響がそれだけなのか……。 他に何か、のび太君自身に対して何かされているんじゃないか……」 「え、ええっ!?」 ドラえもんは難しい顔をしたまま、判別のつかぬといった様子で腕組みをして考え込んでいる。 のび太は不安に駆られたまま次の言葉を待つも、依然としてドラえもんは無言のまま腕を組んでいる。 一瞬、タケコプターの駆動音のみが空中に響くことになったが、数秒の後、ジャイアンがドン、と胸を叩いて口を開いた。 「まっ、つまりは犯人が俺たちを邪魔するつもりで失敗したって事じゃないか。 てことは俺たちが存分に邪魔を出来るって事だろ?ギッタギタのメッタメタにしてやろうぜ!」 勇気づけるように威勢よく声をならせば、のび太も自信の身に起こった異常に対して幾ばくの余裕も生まれるもので、仄かに笑みを浮かべた。 「……うん。 そうだね!こんな気持ち悪いステハゲ塗れの世界にしたキチガイを、ぶん殴ってやろうよ!」 「そうね!出木杉さんや他の皆も元に戻さなくちゃね」 「ぼくのママだって!」 しずかとスネ夫も便乗し、景気のいい言葉を発する。 さて、決意を固めた四人は、未だに思案しているドラえもんをじっと見つめた。 彼は子守りロボットだ。 万が一、すでにのび太が何らかの方法によって手遅れになっていたとしたら……。 そう考えるとどうしても行動するわけにはいかなかった。 しかし、当ののび太が口を開く。 「ドラえもん。 ぼくのことは心配しなくていいよ。 だってこの騒動の犯人がぼくに何かを仕掛けたとしたら、それは邪魔をする僕らを邪魔するためのものだ。 だったらその前に犯人を倒せばいいじゃないか!」 「のび太君……もう、短絡的なんだから……」 言葉とは裏腹に、ドラえもんは薄く笑みを浮かべた。 本人がその木ならしょうがない、と、安全を訴える自身の思考を無視する。 なにせドラえもんは、野比のび太が臆病だけど勇気がある奴だと、長い付き合いで知っているのだ。 「よし、皆行こう!こんなクッソ汚い世界を戻すため、発売日の2001年7月20日以前へ、あの真夏へと!」 「オーッ!」 ドラえもんに先導され、皆が鬨の声を上げる。 すでにのび太の家には到着し、その部屋の引き出しの中にあるタイムマシンは静かに駆動の時を待っていた。

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野獣先輩の歴史を考察。人気の背景、作品の発掘時期など徹底網羅します!

野獣先輩って何

こんにちは、蓬莱です! このブログで「真夏の夜の淫夢」を取り扱って、はや半年。 いくつものクッソ汚い記事が、このブログにストックされていきましたね。 何となく歴史を感じている次第であります。 一方で、真夏の夜の淫夢自体は、世の中に知れ渡って早15年が経とうとしています。 凄いですね、蓬莱さんの半年だけでも感慨深くなる歴史なのに…。 30倍のボリュームなんて想像がつきませんよ!(食い気味) 人気コンテンツになってしまったからこそ、過去のことを風化させてはならない。 そう思い、蓬莱さんは淫夢の歴史を紐解きたくなりました。 今回は、淫夢一番人気の野獣先輩について、歴史を振り返っていきましょう! 参考資料の紹介 この記事にある内容は、すべて淫夢年表という資料に基づいて書かれています。 淫夢が世間に広まり始めた頃、蓬莱さんはまだ小学生だったため、あまりに初期の情報は何も分かりません。 ゆえに、分からない部分は他サイトの情報も引用させていただき、記事を展開しております。 参考サイト: このサイト、汚いページがあったり、エロい広告が貼ってあったりするので、そういうのに耐性がある人だけ覗いてください。 全てはここから始まります。 この作品の名が知れ渡ったのは、2002年8月のことです。 プロ野球選手の多田野がホモビに出演していることをきっかけに、世の中に広まってしまうのでした。 そこからゆっくりと時を重ね、 2005年には第1章の語録が定着していったようであります。 これが淫夢文化の原点です。 ここから野獣先輩に焦点を当てて、歴史を掘り下げていきましょう。 野獣先輩が発掘されたのは2008年10月 多田野が出演していた「真夏の夜の淫夢」に、野獣先輩は登場していました。 多田野は第1章で登場し、野獣先輩は第4章で登場していますね。 淫夢が世間に知られたころは、第1章の部分しか広まりませんでした。 つまり、1章に登場したTNOKやTDNくらいがネタにされただけだったのです。 今ではお馴染みの「イキスギィ!」や「ま、多少はね?」などの有名語録は、当時存在していなかったわけですね。 野獣先輩が注目され始めたのは、2008年10月からです。 この時期は、ようやく第4章が発掘された時期になります。 淫夢が世に知れ渡ってから、およそ7年。 結構な時を重ねて、ようやく認知され始めたのです。 また当時は、野獣先輩と言うネーミングではなく、「先輩」「TDKR(田所)」と呼ばれていたそうです。 野獣先輩という名前生まれた原点と言われている、最古の書き込みを引用しておきましょう。 引用元: スレッドを見る限り、2008年11月1日に野獣先輩の名前が初登場したようです。 しかし原典が生まれただけであり、すぐに世の中にこのネーミングが知れ渡ることはありませんでした。 これから話していきましょう。 野獣先輩はいつ頃世に広まったのか? 発掘されたのが2008年10月。 野獣先輩という名前ができたのが2008年11月であることは理解できました。 しかし、肝心な「野獣先輩の存在がいつ世に浸透したのか」は、まだ把握していません。 次はこれを解明しましょう。 調査方法として、「Google Trends」を活用します。 Google Trendsでは、指定したキーワードが「どの期間にどのくらい検索されているのか」を知ることができます。 このツールは大抵、 「今急上昇しているキーワードは何なのか?」を探すために使われるツールです。 ブロガーやニュース記者が、記事のテーマの選定を行うために活用しています。 しかし、このツールの性質上、「キーワードがどれくらいの時期に生まれたのか?」を調べるという、新しい使い方を見出しました。 さっそく野獣先輩と入力してみましょう。 使用ツール: はえーすっごい…(確信) こんなにはっきり出るものなのですね…。 Googleさん、こんなクソきったないワードに関してもしっかり記録されているのはさすがでございます(敬服)。 グラフから読み取れる情報は3つあります。 2009年以前は、「野獣先輩」の検索がまったくなかった• 2012年4月頃に、野獣先輩は定着した• 2017年8月に、「野獣先輩」の検索はピークに達している 1つめの項目から、「2008年11月に野獣先輩というワードが生まれた」ことと合致しています。 これは素晴らしい結果ですね。 2つ目の項目は少々イキすぎた極論かもしれませんが、しっかり根拠はあります。 ガバガバ検索ツールを使って、根拠を示しましょう。 野獣先輩の検索回数は、約18万回!(1ヶ月) 現在 2018年2月26日 では、これだけ膨大な検索が行われているようです。 もちろん、aramakijakeはガバガバなので、あまり信用できないデータではありますが…。 何が言いたいかと言うと、 この18万回という数字から逆算してみると、2012年4月では検索回数が4万回ほどあったということです。 ブログをやっていると分かるのですが、これって結構な検索ボリュームです。 誰もが知っている「ビール」の検索回数が20万ほどであることを考えると、4万は凄い数字だということが分かるような気がします。 このような膨大な検索ボリュームは、ノンケたちの検索無くして実現はし得ません。 以上から、野獣先輩が世の中に広まっていったのは、2012年4月くらいからという考察になりました。 野獣作品の発掘の歴史 野獣先輩自体のことはよく分かってきたので、次は登場作品の発掘時期について触れていきましょう。 野獣先輩の作品は全部で6作あり、発掘回数は7回となっております。 作品数と発掘回数が合わないのは、インタビュー動画が2回に分けて発掘されていたからです。 分かりやすいように、箇条書きで示しました。 まずはご覧ください。 2008年10月 真夏の夜の淫夢 第4章• 2010年7月 空手部・制の裏技• 2011年4月 scoooop!!! (サイクロップス先輩)• 2011年5月 変態面接官SUPER S17(インタビュー1)• 2011年5月 ザ・フェチ3(インタビュー2)• 2011年9月 Discovery• 2013年9月 インタビュー動画未公開シーン なるほど…歴史が感じられますね。 まず、 第4章が発掘された2年後に、ようやく空手部が発掘されているのは、結構長い時を経てるなと感じます。 また、2011年ではたて続けに発掘されていた過去が確認できます。 この経歴から、すでに野獣先輩が大人気であったことが分かります。 この時は、限られたホモたちの中で盛り上がっていたと考えられます。 そして1年後の2012年4月頃になると、ノンケたちにも野獣先輩の名が知れ渡ったという流れですね。 2013年9月に発掘されたインタビュー動画について、補足をしておきます。 淫夢wikiによると、インタビュアーの「彼女とかいる?今」以降の内容が発掘されたようです。 参考記事: 彼女の話以降に出てくる語録は、「やりますねぇ!」や「王道を征く」などがあります。 つまり2013年以前は、それらの有名語録はなかったことになります。 これはこれは…今の時代では考えられませんね! 一生ネットの晒し者 これまでの内容で、野獣先輩の名がどのように誕生し、どのような作品が発掘され、どのように人気を博したのかを知ることができました。 これだけ有名になってしまった野獣先輩は、ある肩書を与えられます。 それは、「一生ネットの晒し者」という肩書です。 一通り作品が発掘された2013年以降、彼の名声は高まる一方でした。 ネットユーザーが好きなだけ晒し者にしたからです。 もはやその様相は、おもちゃにしていたと言っても過言ではないでしょう。 「一生ネットのおもちゃ」というタグも存在しているくらいです。 時に、熊本に出没しているならず者にされたり、ウィルスにされたりしました。 挙句の果てには、ニュースサイトに取り上げられたり、企業が淫夢ネタを(誤って)使ってしまったりという異例の事態も起こりました。 元はホモビなのに…壊れるなぁ。 以下に、野獣先輩と深く関係のあった特集や事件を列挙しておきます。 扱いがひどすぎて、泣けてきますよ! 2016年1月 画像引用元: 雪かきアートすごいですね! フジテレビ系列の情報番組「直撃LIVEグッディ!」が、この画像を取り上げました。 まさにホモ歓喜のイベント。 フジテレビさん、これはまずいですよ! ちなみに画像の投稿元はTwitterです。 2016年にもなると、ノンケどもが大半を占めているTwitterでさえ、このような画像が平気で話題になってしまうようになっていたようです。 2016年5月 画像引用元: モザイクを貫通する男 お次の画像は、日本テレビの報道番組「NEWS ZERO」が放映していたワンシーンです。 Twitterにて、「熊本に出現しているならず者」と表されたデマツイートが取り上げられました。 熊本震災の中、このデマツイートが流されていたことを考えると、かなり悪質ですね。 頭にきますよ! 2016年7月 画像引用元: 野獣先輩に見える見える(確信) Twitterや2ch上でよく話題になる、「野獣先輩に見えるシリーズ」。 このシリーズの原点が、このおはぎの写真です。 茶屋本店さんは、もしかしたら相当な風評被害を受けたかもしれません。 淫夢に関係ない人たちに迷惑をかけるなって、それ一番言われてるから。 全国のおはぎ屋もカンカンでいらっしゃるよ。 咥えて差し上げろ(SNJ) 2017年9月 画像引用元: ホモビに出ただけで、ウィルスにされる男 インターネット上でフリーマーケットを楽しめる「メルカリ」にて、上記のウィルスをばらまいた事件がありました。 NHKがこの事件を報道してくれました。 日本のニュースサイトはとても平和ですね(小並)。 また、当たり前のようにTwitterのトレンド入りも果たしています。 2017年12月 画像引用元: たまげたなぁ…。 今度はTwitterの画像を取り上げたとかいう、生易しい事件ではありません。 NHKが「ねほりんぱほりん」という番組でやらかしてしまいました。 企業が淫夢ネタを使ってしまうという悲劇が、初めて起きてしまったのです。 画像左側にある「真夏の夜の淫豚」がアウトです。 天下のNHKが淫夢営業とは、悲しいなぁ。 この事件については、以下の参考記事でも触れています。 参考記事: 最後に この記事では野獣先輩の歴史を掘り返していく目的で、記事を展開していきました。 以下にまとめを記しましょう。 野獣先輩の名ができたのは、2008年11月• 野獣先輩がホモたちの中で人気になったのが、2011年4月から• 野獣先輩が世に広まったのは、2012年4月から• 一生ネットの晒し者 今でこそ野獣先輩は日本のネットに無くてはならない存在になりましたが、そのポジションを獲得するために、数年の年月を費やしていたことが分かりました。 元がホモビというマイナス面を抱えた上で、ここまでのし上がってきた野獣先輩には敬意の念を表すべきです。 くっそ汚い文化ではありますが、 クールジャパンとして これからもネットを盛り上げてほしいですね(小並).

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