エロージョン 腐食。 1.4 摩耗とエロージョン

1.1エロージョンとは何か

エロージョン 腐食

クロム(Cr)が少ないと、耐食性が低下するため、そこから腐食を生じる現象が粒界腐食です。 また、このクロム(Cr)欠乏状態のことを鋭敏化ともいいます。 溶接部付近などは熱影響で特にこの鋭敏化が生じやすいため、溶接を実施する場合には、SUS304LやSUS316Lなどの低炭素材を用いることで、鋭敏化を防止します。 応力腐食割れ SCC 鋭敏化や孔食の腐食条件下において、溶接による残留応力などの力が働いていた場合に生じます。 この場合、かかる応力が材料降伏点以下であっても、腐食環境下で脆化を起こしてしまうため、割れに至ります。 また、この割れを起点とし、不動態皮膜が破壊され、腐食を進行させてしまいます。 応力除去焼なましなどで残留応力を軽減し、使用環境から溶存酸素や塩化物イオンを除去することが防止対策となります。 異種金属間腐食 電位が異なる2つの金属が電解質中で接触すると、両者の間に電池が形成され、電位が低い(卑な)金属の腐食が接触していない状態の場合よりも腐食が進行する現象であり、流電腐食、電食ともいいます。 異種金属が接触した場合の腐食の度合いは、問題とする環境での各金属の自然電位を比べることによってわかります。 防止方法としては、異種金属を接触させない、自然電位の差の小さい金属の組み合わせを選ぶ、カソード/アノードの面積比を小さくするといった方法があります。 直訳すると、「磨耗的腐食」ということになります。 配管中を流れる水のように、腐食環境が流動していると、流体が配管内面をこすることになり、流速が低ければ磨耗は起きませんが、流速が高ければ磨耗します。 また、流体中に粉体など固体を含む場合には、激しく表面をこすり機械的磨耗が生じます。 エロージョン・コロージョンが起きやすいケースとしては、高速流の水や塩類の水溶液で、管内に乱流を生じることが多く、またそれほど速い流れでなくても、曲がり部や熱交換器の入口などでも、乱流が発生するところがあります。 このような場所ではエロージョン・コロージョンが起きやすいです。 特に液体に固体が混じっていると、エロージョン・コロージョンを非常に発生させやすい環境となり、気体と液体が混じった状態で配管内を流れる気液二相流や、ミストが混じっている気体もエロージョン・コロージョンを発生させやすいといわれています。

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耐食性・耐久性|銅Q&A|一般社団法人日本銅センター|JCDA

エロージョン 腐食

エロージョン・コロージョン(erosion corrosion)は, 摩耗腐食とも呼ばれ,流動する水,土砂などの環境物質による 摩耗(wear)と 腐食(corrosion)の相乗作用によって金属に生じる 損耗現象である。 エロージョン・コロージョンでは,それぞれの作用が単独で作用した場合の損耗量の和より大きい損耗量となる。 現象としては,機械的な 侵食(erosion)により金属表面に形成する腐食生成物の 保護被膜(錆層や不動態被膜)が傷つき,あるいは除去されるため,新鮮な金属表面が常に露出する。 このため機械的な侵食より早い速度で金属が損耗すると考えられる。 金属に接触する 流体が腐食性の 液体の場合は,流速が比較的低くとも 曲がり部など 流速の変化や乱流の発生する個所で生じやすい。 金属に接触する 流体が 固体を含む腐食性の液体(泥漿;slurry)の場合は容易に生じる。 流体が 気体の場合でも,腐食性の気体中に 固体粒子を含むような摩耗の条件が整う場合に生じる。 対策としては, 流速を下げるような 設計変更, 腐食抑制剤の使用や 脱気などがある。 電気防食も原理的に可能であるが,経済性に難点があり実用例は少ない。 実用面では, スラリー輸送に用いる炭素鋼においてエロージョン・コロージョン事例が多く報告されている。 また,ステンレス鋼製のインペラーを用いた 海水ポンプでも事例が報告されている。 【参考】 腐食生成物(corrosion product) 腐食によって生成した物質。 通常は固体物質を指し,金属表面に付着するか又は環境中に分散して存在する。 【JIS Z0103「防せい防食用語」】 錆(rust) 読み「さび」,銹とも書かれる。 錆は,金属の表面で,金属と環境因子(酸素や水など)との酸化還元反応(腐食という)で生成した水不溶性又は難溶性の腐食生成物(酸化物,水酸化物,炭酸塩,硫化物,塩化物など)をいう。 不動態被膜(passive film) 不動態化(passivity)で生じた金属表面に腐食作用に抵抗する酸化被膜をいう。 不動態(passive state)とは,標準電位列で卑な金属であるにもかかわらず,電気化学的に貴な金属であるような挙動を示す状態。 【JIS Z0103「防せい防食用語」】 本来,ひ(卑)である電極電位を示し,不安定であるべき金属があたかも貴である金属のように振る舞う状態。 この状態では,電極電位も貴の値を示す場合が多い。 【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】 一般的には,金属をとり囲む環境の影響で,電気化学列で卑な金属(腐食しやすい金属)が,表面を酸化物で覆われるなどして本来の活性を失い,貴な金属のように挙動する状態を不動態といい,この状態になることを不動態化(passivity)と理解されている。 不動態化は,酸化力のある酸にさらされた場合,陽極酸化処理によっても生じる。 不動態となる酸化被膜(不動態被膜)の典型的な厚みは,数 nm である。 すべての金属が不動態となるわけではなく,不動態になりやすいのは,アルミニウム,クロム,チタンなどやその合金である。 摩耗(wear) 読み「まもう」,磨耗とも記される。 摩耗とは,摩擦に伴って生じる固体表面部分の逐次減量のこと。 泥漿(slurry) 読み「でいしょう」,スラリー(slurry)やスライム(slime)ともいわれ,液体中に鉱物や汚泥などが混ざっている懸濁体(けんだくたい)である。 通常は,粘性が強い流動物であることが多い。 乱流(turbulent flow) 流体の各部分の速度や圧力などが不規則に変動(乱れ)し,混合しながら流れる流れをいう。 乱れを含まない流れは層流(laminar flow)といわれる。 レイノルズ数が低い場合には,流れは安定し層流状態を保つ。 ページへ.

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4.港湾鋼構造物の被害事例

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技術分野 材料評価 技術レポート 腐食の形態と腐食試験 日本において、金属材料の腐食損失とその対策費を合わせると、年間5兆円(国民総生産の約1%)を超えると言われています。 事故の中には甚大な人的被害をもたらすこともあり、設計段階から腐食損失及び防食対策について十分考慮する必要があります。 金属の腐食現象は、日常生活においては鉄鋼材料に錆が発生し、外観が損なわれるというレベルのものが多いのですが、工業的には腐食により製品の生産が中断されるケースが多く、中には前述のように人的被害が出るものまであります。 腐食問題を解決するに当って考慮すべき点は、腐食には様々な形態が存在し、それぞれ材料と環境の組み合わせによって発生するということです。 以下に、腐食の形態について大まかに説明します。 1.腐食の形態 腐食を分類するには、色々な方法がありますが、図1のように腐食の形態から全面腐食と局部腐食に分けることができます。 図1 腐食の形態 (1)全面腐食 全面腐食は、金属がほぼ一様に腐食減肉するもので、均一腐食とも呼ばれます。 一般的に炭素鋼などの耐食性の比較的低い材料に起こり易い特徴があります。 腐食速度を把握し易いため、比較的腐食速度が遅い場合には部材を交換することで対処可能です。 (2)局部腐食 同じように腐食環境に晒されながら、腐食する箇所としない箇所が明確に分かれるものです。 オーステナイト系ステンレス鋼のように、耐食性の高い材料に多く見られます。 代表的な局部腐食としては、孔食,すき間腐食,応力腐食割れなどがあります。 孔食は、腐食が半球状に肉厚方向に進行します。 すき間腐食は、部材間のすき間部において発生します。 応力腐食割れは、材料と腐食環境と引張応力の組み合わせによってクラックを発生します。 いずれも、多くの領域では正常でも、局部的には腐食が進行しており、部材が破壊して初めて局部腐食を起こしていたことに気付きます。 なお、大部分は全面腐食の形態であると思っていても、局部腐食を併発している例があります。 配管の例で言うと、エルボ部や継手部などの流速が変わる箇所は、直管部より腐食速度が速くなります。 また、乱流を発生することがあり、このような箇所は、エロージョン・コロージョン(高流速による機械的侵食を伴なう腐食)を起こし、予想外に早く破孔することもあります。 2.腐食試験の例 腐食事故調査の一環として、あるいは開発案件における評価項目の1つとして、金属の耐食性評価を行なう場合、規格化された試験溶液や実機に使われる液体、あるいは腐食性を高めた溶液による加速試験を行ないます。 当社では主に以下の腐食試験を行なっています。 (1)電気化学試験 図2のように、材料に強制的に電流を流して腐食を加速させる実験室的な試験です。 比較的短時間で腐食の傾向を調べたいときに有効な試験になります。 異種金属の組み合わせで、腐食電位の差が大きい場合は、腐食電位の低い方の金属が腐食します。 ステンレス鋼を塩化ナトリウム水溶液中でアノード分極し、孔食が発生する電位を調べます。 ステンレス鋼の開発において、耐食性の基本的なデータとして使えます。 また実機に近い水溶液で、複数のステンレス鋼の耐食性の比較にも使えます。 JIS規格 JIS G 0580 によって規格化されています。 ボイラ配管など、高温下における連続使用では、オーステナイト系ステンレス鋼は劣化していきます。 鋭敏化度は耐食性劣化の指標になります。 なお、現場において、製品の鋭敏化度を直接計測することもできます。 図2 電気化学試験装置の組立図 (2)浸漬試験 ビーカー内で腐食液を一定温度に保持する浸漬試験です。 主にJIS(あるいはASTM)で規格化された溶液を用い、耐食性を評価します。 評価の対象となるのは、全面腐食か局部腐食かの違いや、腐食減量、腐食深さ、腐食速度などです。 最近の傾向は、プラント等の材料選定として規格を用いた試験が多くあります。 また、応力や歪を負荷した試験片を腐食環境中で浸漬試験し、割れの発生の有無を調べる応力腐食割れ試験もあります。 3.あとがき 腐食による損傷が発生すると、腐食原因を調べたり、防食対策,材料の選定等、簡単には解決できない問題が多数あります。 当社では、腐食損傷原因調査として、腐食生成物の分析や金属組織観察,材料強度試験等から総合的な調査を行なっています。 さらに、腐食試験、防食対策や材料選定の相談などを日常的に行なっていますので、お気軽にご相談ください。

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