俺ガイル ss 八幡 病気。 やはり俺の進撃ラブコメはまちがっている。

やはり俺の進撃ラブコメはまちがっている。

俺ガイル ss 八幡 病気

中学生の頃、ある事故が起こってから俺は声が出ない。 病を患っていた訳でも無い。 大切な人が事故に遭った以来、声を出そうとしても俺の口が音を発する事は一度も無かった。 それでもこの状況を恨んだ事なんて無い。 全て俺のせいだから。 それに声が出ない事で日常に支障がでることは無い。 なぜなら俺は元々友達がいなかったので、喋る事が無かったからだ。 家では妹と紙を通じて会話するまでである。 親と話す事も滅多に無い。 俺にとって声が出ない事なんて、どうでも良かった。 耳が聞こえていれば声が聞こえるし、目が見えていれば相手が見える。 ただ俺の言葉が伝わらないだけ。 俺は声が出なくなった以来、笑った事が無かった。 俺は感情の無い機械のようだった。 高校に入っても、その状況は大して変わらなかった。 誰も声をかけてくる事は無かった。 また同じように過ごすのだろうと思いつつ、いつも読んでいる文庫本のページを静かにめくった。 「えー隼人今日行けないの?」 「ああ。 サッカー部の練習があるんだよ」 隣から聞こえる声に耳を傾ける。 下らない。 本当に下らない。 なにもかもが鬱陶しく感じる。 人の声も廊下を走る音も。 世界に取り残された気がするのだ。 聞こえる音も何もかも違う世界に感じる。 声が出ないなんて大した事じゃない。 声が出たところで違う世界に届く筈が無いから。 特にする事も無く、静かに昼飯を食し、教室が騒がしかったので、廊下の隅を静かに歩く。 校舎を一周し、風に打たれているだけでもいい程度に時間を潰せる。 特に良いのが特別棟。 静かだし、人が少ない。 あそこならば、心地いい風が一層気持ち良く感じる。 そう思いながら、特別棟を歩いていると、プレートに何も書いていない教室があった。 不思議に思い、ドアを開けて覗いてみる。 教室には、机と椅子が無造作に積み上げられていて、それだけならば普通の何の変哲も無いただの教室だ。 だがその教室には圧倒的に普通の教室と違う点があったのだ。 普通の教室違う点とは、一人の少女が本を読んでいたいた。 ただ、それだけだ。 それだけの筈なのに何故か異質に感じられる。 きっと彼女は世界が終わってしまってもこうしているんじゃないか、と必然的に…そう錯覚した。 「誰?」 少女は持っていた文庫本を閉じ、こちらを向いた。 俺はこの少女を知っている。 二年J組、雪ノ下雪乃。 優れた容姿と定期テスト、実力テスト共に学年一位の学力を持つ超優等生。 知らない奴などいない。 雪ノ下は答えを待っているようだ。 だが生憎答えられる声など持ち合わせていない。 それに普段、人と話す事も無いので紙も無いし書く物も持っていない。 仕方無くスマホを取り出し、それを少女に見せた。 《二年F組、比企谷八幡》 「…誰?」 《何で同じ質問なんだよ。 》 雪ノ下は眉をひそめ、冷たい目で見てからため息をついた。 「本当は学年の人は全員覚えている筈なのだけれど、あなたの事は知らないわ。 」 《…まあそうだろうな。 》 スマホで文字を打ちながら会話する。 雪ノ下が俺を知らないのも無理は無い。 雪ノ下は誰もが知る有名人でも俺は知る人も知らないただの人。 それ以上でもそれ以下でも無い。 「…さっきから思っていたのだけれど、あなた声が出せないの?」 《まあな。 》 「そう。 」 俺が答えると、雪ノ下は俺を哀れんだ顔をした訳でも無く、今までと変わらない表情で文庫本を読み始めた。 この事を話してしまえば普通は同情されてしまう。 だけど俺にとって同情されるということは無視されるより辛い事だ。 だけど雪ノ下は俺を何も変わらなく受け止めてくれている。 この環境がなにより心地いいと感じた。 俺は後ろに積み上げられている椅子を一つ、床に置き、雪ノ下と離れた所に座った。 《俺もここで本を読んで良いか?》 スマホを見せると雪ノ下が仄かに微笑んだ。 それを了承と取り、椅子に座る。 あ、そういえば本教室に置き忘れた。 「ソワソワしてどうしたの?挙動不審?」 《…本、教室に忘れた。 》 教室に取りに行くとか絶対嫌だ。 あいつらがいるから。 つーか俺そんなに不審なのかよ。 「はぁ…馬鹿なの?じゃあ私の本貸してあげるからそれでも読んだら?」 雪ノ下は呆れた表情で本を渡してくる。 それを受け取り、改めて、椅子に座る。 宮沢賢治か。 好みの本だ。 それからは二人して黙って本を読んでいた。 この空間は俺を肯定してくれているような気がした。 いつもは生徒会で帰ってくるのが俺より遅いはずなのだが、今日は何故か、早めに帰って来たらしい。 鞄を置き、服をタンスから適当に取り出して着る。 着替え終わり、リビングに行くと、猫のカマクラとじゃれやっている小町がいた。 「あ、お兄ちゃん帰って来てたんだ。 」 いや…帰って来てるだろ音とか聞こえなかったんですか。 そこまで俺は空気を消すのが上手くなってたのか。 逆に悲しくなってきちゃうな。 「あれ?お兄ちゃん今日ちょっと機嫌良い?なんかいつもより目が腐っていないような…いや気のせいだったいつも通りだ」 少なからず機嫌が良いのは認めるが最後は要らないと思う。 少し不機嫌な顔でソファに座る。 それにあわせて今まで床に座っていた小町もソファに座り、笑いながら話しかけてくる。 「お兄ちゃん良いこととかあったの?」 そんなことを聞きながら紙を渡してくる。 書けってことですか… 《別にない》 「えーっ!!嘘だ!!」 《強いていうなら…久しぶりに人と話した。 話した訳じゃ無いけどな》 そう言うと小町は少し微笑んだ 「そっか…良かったね。 」 思えば、俺が喋れなくなって一番悲しんでいたのは小町だった。 …それ以来小町はずっと俺に話し掛けてくれているのだ。 少しでも人と通じあえるように 俺も少し微笑んで小町の頭を撫でた。 小町を話していて思い出したのだが、そういえば今日は好きなラノベの発売日だった ふと思い至り、財布を覗いてみる。 10円しか無い。 しかし、こんな事もあろうかと…図書カードを残しておいたのだ。 まだ600円分は残っている筈だ。 ありがとう図書カード。 「ニヤニヤして気持ち悪いよ…お兄ちゃん…」 小町に本気で軽蔑された気がするがまあそれはいい。 とにかく本だ。 「あれ?お兄ちゃんどこ行くの?」 《本屋》 「気をつけてね。 お兄ちゃんに何かあったら小町は泣くよ!!あ、今の小町的にポイント高い!!」 《うぜぇ・・・》 最後のが無ければ可愛いのに、一言余計だこの妹は。 まあそういうところも可愛いけど。 シスコンとかじゃない。 《じゃあ行ってくる。 》 「うん。 いってらっしゃい」 小町が手を振ってきたので、少し戸惑いつつも手を振り返した。 行くとしたら、本屋。 休日といえば普通読書をして、勉強をして、ゲームをするだけだ。 出歩くと思わぬトラブルになったりする。 家ほど平和な場所は無い。 昔は、幼馴染とショッピングモールとかに遊びに来ていたりしたのだが、今となってはもう昔の話である。 俺がまだ声が出ていた頃の話だ。 ちなみに声が出なくなったのもその幼馴染が関係している。 ・・・俺はあいつを傷つけてしまった。 [newpage] 中学の頃の話だ。 友達は居なかったが、いつも話かけてくる。 由比ヶ浜結衣というバカな幼なじみがいた。 「ヒッキー!!ねぇ!!遊びに行こうよ!」 「はぁ?嫌だ」 由比ヶ浜はいつも笑顔でこっちが嫌そうな顔をしても遠慮せず話かけてきて、可愛いくせに俺なんかにずっと構ってくる優しい奴だった。 だから当然男子にも人気はあったし、友達も多かった。 「えぇ~なんで行こうよ!!」 「行かない。 お前友達多いんだから友達と行けよ」 「だって…ヒッキーと行きたいし…」 そんなことを言われても行きたくないものは行きたくないのである。 …それに俺みたいなカースト底辺の奴とつるんでいたって、結局由比ヶ浜の得にはならない。 俺とこいつの繋がりなんて家が隣同士で幼稚園からずっと一緒という言ってみれば腐れ縁のようなものだ そんな関係切ってしまっても問題ない。 中学に入り、ある程度の距離を取ろうとした。 それでも、関係が切れることは無かった。 切れることが無かったというより、切れなかったというほうが正しいかもしれない。 「・・・」 「解った。 諦める・・・」 「まあ別に本買いに行くついでならいいけど」 「ホントに!?」 「でも諦めるんだろ」 「やっぱ無し!今の無しだから!!」 「じゃあ適当に迎えに行くから」 「えっ!駄目!!」 「なんで?」 家、隣ですし一緒に行けば良いじゃないですか。 二度手間とか災害レベルで嫌だ。 「駄目なものは駄目なの!!」 「解った。 もう好きにすれば?」 「うん」 嫌味のつもりで言ったのに全然動じていないよこの子・・・ こうなったら聞かないよな。 諦めるしかない。 「じゃあ次の日曜、駅で待ち合わせだからね!!」 「はいよ。 任せとけ」 「うん!!任せた!五分前行動よろしく!!」 なんか自然に五分前行動強制されたんですけど・・・ 「もう解ったから・・・さっさとどっかいけ」 「ひどい!!」 だってさっきから後ろの女子の視線が怖いんですよ。 なんかさっきからちょっと地味に聞こえちゃってるんですよ。 何あいつ?とか言わないで下さい。 冷たい目を向けないで下さい。 てかあんな奴いたっけとかも聞こえてるから!ちょっと遠慮ってモノをして下さい。 お願いします!! 「じゃあヒッキー!!絶対だから!」 そう言いながら由比ヶ浜は女子の列に戻っていく。 なんだかんだであいつも人の顔色をうかがい、上手くやっている。 言ってしまえばあいつは犬。 飼い主の顔色をうかがって、クラスの中で上手く過ごしている。 今だってそうだ。 なるべく人の視線が集まらない的確なタイミングで話しかけてくる。 気付く奴もいるが、それはごく数人だろう。 なぜそんな事をするのかという理由も簡単、俺がクラスのカーストの最底辺にいるから。 普通に話しかけると、自分の立場までに影響が及んでしまうから。 俺がクラスのカースト最底辺だとすれば、由比ヶ浜は上位のカーストに属する。 それを理解しているのだ。 由比ヶ浜は。 俺と喋ると由比ヶ浜のイメージが悪くなる。 逆に少し喋っていても、ちょっと親同士のことで・・・とでもごまかせば、幼馴染な訳だし不思議ではない。 別にそんなリスクを犯してまで俺に話しかける必要はないと思うが・・・ 「なぁヒキタニくん」 背後から突然声が聞こえた。 つーかヒキタニ君誰ですか。 うちのクラスにそんな人いましたっけ?ヒキタニ・・・比企・・・谷・・・・タニ・・・・・・・・・・・・・俺か。 そうなんだよな。 比企谷って携帯とかで打つときにひきたにって打たないと漢字が出てこないんだよな。 「なあ・・・聞いてる?」 「何」 「あのさぁ・・・ヒキタニくんって由比ヶ浜と仲良いの?」 「良いわけ無いだろ。 」 「じゃあなんでいつも喋ってんの?」 「親同士が仲良いから、ちょっとそのことで話してるだけだ」 「そ、そうなの?良かった~ありえないけど付き合ってたらどうしようとか思っちゃったよ」 なにそれ馬鹿にしてんの?ありえないけどとか絶対馬鹿にしてるよねこいつ。 モンスターにハンターされてしまえば良いのに。 「親同士の付き合いっていうのも大変だな~」 「まあな」 別にうちの親と由比ヶ浜の親が仲が悪いとかじゃないし、むしろ隣同士仲が良いとさえ思う。 だけどその影響が子供の俺達に及んでいるわけでもない。 だから、由比ヶ浜が無理に俺に話しかけてくる必要は無い。 むしろ俺にとっても、由比ヶ浜にとってもデメリットしかないのだ。 さっきも言ったがそれを由比ヶ浜は理解しているはずだ。 ならば何故こんなことになるかもしれないとわかっていながら、俺に話しかけるのか不思議でならない。 俺に同情の心なんて必要無い。 まあとりあえずおめでとう」 雪乃「はぁ・・・この為だったのね・・・もっと静かに出来ないのかしら?」 小町「雪乃さんツンデレだ!!」 陽乃「照れない照れない」 結衣「さいちゃんとか中二も来るって!!後で!」 陽乃「隼人達も来るらしいよ~あと静ちゃんと!!」 八幡「じゃあもう俺帰るよ??」 雪乃「居なさい。 今日は私の誕生日でしょ。 あなたには祝う義務があるわよ」 八幡「なんの義務だよ・・・」 小町「お兄ちゃん帰っても何のご飯もないよ?」 八幡「くっ!!策士か!」 結衣「ヒッキーはほっといて・・・ゆきのんはい!!これ!!」 雪乃「・・・何かしらこれ?」 結衣「えーっと・・・本!!」 雪乃「それは見たら解るのだけれど・・・」 結衣「今話題の犬と人との本当にあったいい話なんだって!!泣けるって有名らしいよ!!」 八幡「おい由比ヶ浜それの猫バージョン無かったのか。 お前本当は空気も読めないのか、アホだけじゃなかったのか」 結衣「なんで?犬可愛いよ!!」 八幡「そうだなでも雪ノ下には犬グッズを渡すな。 」 雪乃「何勘違いしているのかしら。 燃え尽きたgdgdですいませんなんか書かないとと思って・・・.

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比企谷八幡×雪ノ下雪乃
雪乃「あの頃とはもう違うのよ」

俺ガイル ss 八幡 病気

中学生の頃、ある事故が起こってから俺は声が出ない。 病を患っていた訳でも無い。 大切な人が事故に遭った以来、声を出そうとしても俺の口が音を発する事は一度も無かった。 それでもこの状況を恨んだ事なんて無い。 全て俺のせいだから。 それに声が出ない事で日常に支障がでることは無い。 なぜなら俺は元々友達がいなかったので、喋る事が無かったからだ。 家では妹と紙を通じて会話するまでである。 親と話す事も滅多に無い。 俺にとって声が出ない事なんて、どうでも良かった。 耳が聞こえていれば声が聞こえるし、目が見えていれば相手が見える。 ただ俺の言葉が伝わらないだけ。 俺は声が出なくなった以来、笑った事が無かった。 俺は感情の無い機械のようだった。 高校に入っても、その状況は大して変わらなかった。 誰も声をかけてくる事は無かった。 また同じように過ごすのだろうと思いつつ、いつも読んでいる文庫本のページを静かにめくった。 「えー隼人今日行けないの?」 「ああ。 サッカー部の練習があるんだよ」 隣から聞こえる声に耳を傾ける。 下らない。 本当に下らない。 なにもかもが鬱陶しく感じる。 人の声も廊下を走る音も。 世界に取り残された気がするのだ。 聞こえる音も何もかも違う世界に感じる。 声が出ないなんて大した事じゃない。 声が出たところで違う世界に届く筈が無いから。 特にする事も無く、静かに昼飯を食し、教室が騒がしかったので、廊下の隅を静かに歩く。 校舎を一周し、風に打たれているだけでもいい程度に時間を潰せる。 特に良いのが特別棟。 静かだし、人が少ない。 あそこならば、心地いい風が一層気持ち良く感じる。 そう思いながら、特別棟を歩いていると、プレートに何も書いていない教室があった。 不思議に思い、ドアを開けて覗いてみる。 教室には、机と椅子が無造作に積み上げられていて、それだけならば普通の何の変哲も無いただの教室だ。 だがその教室には圧倒的に普通の教室と違う点があったのだ。 普通の教室違う点とは、一人の少女が本を読んでいたいた。 ただ、それだけだ。 それだけの筈なのに何故か異質に感じられる。 きっと彼女は世界が終わってしまってもこうしているんじゃないか、と必然的に…そう錯覚した。 「誰?」 少女は持っていた文庫本を閉じ、こちらを向いた。 俺はこの少女を知っている。 二年J組、雪ノ下雪乃。 優れた容姿と定期テスト、実力テスト共に学年一位の学力を持つ超優等生。 知らない奴などいない。 雪ノ下は答えを待っているようだ。 だが生憎答えられる声など持ち合わせていない。 それに普段、人と話す事も無いので紙も無いし書く物も持っていない。 仕方無くスマホを取り出し、それを少女に見せた。 《二年F組、比企谷八幡》 「…誰?」 《何で同じ質問なんだよ。 》 雪ノ下は眉をひそめ、冷たい目で見てからため息をついた。 「本当は学年の人は全員覚えている筈なのだけれど、あなたの事は知らないわ。 」 《…まあそうだろうな。 》 スマホで文字を打ちながら会話する。 雪ノ下が俺を知らないのも無理は無い。 雪ノ下は誰もが知る有名人でも俺は知る人も知らないただの人。 それ以上でもそれ以下でも無い。 「…さっきから思っていたのだけれど、あなた声が出せないの?」 《まあな。 》 「そう。 」 俺が答えると、雪ノ下は俺を哀れんだ顔をした訳でも無く、今までと変わらない表情で文庫本を読み始めた。 この事を話してしまえば普通は同情されてしまう。 だけど俺にとって同情されるということは無視されるより辛い事だ。 だけど雪ノ下は俺を何も変わらなく受け止めてくれている。 この環境がなにより心地いいと感じた。 俺は後ろに積み上げられている椅子を一つ、床に置き、雪ノ下と離れた所に座った。 《俺もここで本を読んで良いか?》 スマホを見せると雪ノ下が仄かに微笑んだ。 それを了承と取り、椅子に座る。 あ、そういえば本教室に置き忘れた。 「ソワソワしてどうしたの?挙動不審?」 《…本、教室に忘れた。 》 教室に取りに行くとか絶対嫌だ。 あいつらがいるから。 つーか俺そんなに不審なのかよ。 「はぁ…馬鹿なの?じゃあ私の本貸してあげるからそれでも読んだら?」 雪ノ下は呆れた表情で本を渡してくる。 それを受け取り、改めて、椅子に座る。 宮沢賢治か。 好みの本だ。 それからは二人して黙って本を読んでいた。 この空間は俺を肯定してくれているような気がした。 いつもは生徒会で帰ってくるのが俺より遅いはずなのだが、今日は何故か、早めに帰って来たらしい。 鞄を置き、服をタンスから適当に取り出して着る。 着替え終わり、リビングに行くと、猫のカマクラとじゃれやっている小町がいた。 「あ、お兄ちゃん帰って来てたんだ。 」 いや…帰って来てるだろ音とか聞こえなかったんですか。 そこまで俺は空気を消すのが上手くなってたのか。 逆に悲しくなってきちゃうな。 「あれ?お兄ちゃん今日ちょっと機嫌良い?なんかいつもより目が腐っていないような…いや気のせいだったいつも通りだ」 少なからず機嫌が良いのは認めるが最後は要らないと思う。 少し不機嫌な顔でソファに座る。 それにあわせて今まで床に座っていた小町もソファに座り、笑いながら話しかけてくる。 「お兄ちゃん良いこととかあったの?」 そんなことを聞きながら紙を渡してくる。 書けってことですか… 《別にない》 「えーっ!!嘘だ!!」 《強いていうなら…久しぶりに人と話した。 話した訳じゃ無いけどな》 そう言うと小町は少し微笑んだ 「そっか…良かったね。 」 思えば、俺が喋れなくなって一番悲しんでいたのは小町だった。 …それ以来小町はずっと俺に話し掛けてくれているのだ。 少しでも人と通じあえるように 俺も少し微笑んで小町の頭を撫でた。 小町を話していて思い出したのだが、そういえば今日は好きなラノベの発売日だった ふと思い至り、財布を覗いてみる。 10円しか無い。 しかし、こんな事もあろうかと…図書カードを残しておいたのだ。 まだ600円分は残っている筈だ。 ありがとう図書カード。 「ニヤニヤして気持ち悪いよ…お兄ちゃん…」 小町に本気で軽蔑された気がするがまあそれはいい。 とにかく本だ。 「あれ?お兄ちゃんどこ行くの?」 《本屋》 「気をつけてね。 お兄ちゃんに何かあったら小町は泣くよ!!あ、今の小町的にポイント高い!!」 《うぜぇ・・・》 最後のが無ければ可愛いのに、一言余計だこの妹は。 まあそういうところも可愛いけど。 シスコンとかじゃない。 《じゃあ行ってくる。 》 「うん。 いってらっしゃい」 小町が手を振ってきたので、少し戸惑いつつも手を振り返した。 行くとしたら、本屋。 休日といえば普通読書をして、勉強をして、ゲームをするだけだ。 出歩くと思わぬトラブルになったりする。 家ほど平和な場所は無い。 昔は、幼馴染とショッピングモールとかに遊びに来ていたりしたのだが、今となってはもう昔の話である。 俺がまだ声が出ていた頃の話だ。 ちなみに声が出なくなったのもその幼馴染が関係している。 ・・・俺はあいつを傷つけてしまった。 [newpage] 中学の頃の話だ。 友達は居なかったが、いつも話かけてくる。 由比ヶ浜結衣というバカな幼なじみがいた。 「ヒッキー!!ねぇ!!遊びに行こうよ!」 「はぁ?嫌だ」 由比ヶ浜はいつも笑顔でこっちが嫌そうな顔をしても遠慮せず話かけてきて、可愛いくせに俺なんかにずっと構ってくる優しい奴だった。 だから当然男子にも人気はあったし、友達も多かった。 「えぇ~なんで行こうよ!!」 「行かない。 お前友達多いんだから友達と行けよ」 「だって…ヒッキーと行きたいし…」 そんなことを言われても行きたくないものは行きたくないのである。 …それに俺みたいなカースト底辺の奴とつるんでいたって、結局由比ヶ浜の得にはならない。 俺とこいつの繋がりなんて家が隣同士で幼稚園からずっと一緒という言ってみれば腐れ縁のようなものだ そんな関係切ってしまっても問題ない。 中学に入り、ある程度の距離を取ろうとした。 それでも、関係が切れることは無かった。 切れることが無かったというより、切れなかったというほうが正しいかもしれない。 「・・・」 「解った。 諦める・・・」 「まあ別に本買いに行くついでならいいけど」 「ホントに!?」 「でも諦めるんだろ」 「やっぱ無し!今の無しだから!!」 「じゃあ適当に迎えに行くから」 「えっ!駄目!!」 「なんで?」 家、隣ですし一緒に行けば良いじゃないですか。 二度手間とか災害レベルで嫌だ。 「駄目なものは駄目なの!!」 「解った。 もう好きにすれば?」 「うん」 嫌味のつもりで言ったのに全然動じていないよこの子・・・ こうなったら聞かないよな。 諦めるしかない。 「じゃあ次の日曜、駅で待ち合わせだからね!!」 「はいよ。 任せとけ」 「うん!!任せた!五分前行動よろしく!!」 なんか自然に五分前行動強制されたんですけど・・・ 「もう解ったから・・・さっさとどっかいけ」 「ひどい!!」 だってさっきから後ろの女子の視線が怖いんですよ。 なんかさっきからちょっと地味に聞こえちゃってるんですよ。 何あいつ?とか言わないで下さい。 冷たい目を向けないで下さい。 てかあんな奴いたっけとかも聞こえてるから!ちょっと遠慮ってモノをして下さい。 お願いします!! 「じゃあヒッキー!!絶対だから!」 そう言いながら由比ヶ浜は女子の列に戻っていく。 なんだかんだであいつも人の顔色をうかがい、上手くやっている。 言ってしまえばあいつは犬。 飼い主の顔色をうかがって、クラスの中で上手く過ごしている。 今だってそうだ。 なるべく人の視線が集まらない的確なタイミングで話しかけてくる。 気付く奴もいるが、それはごく数人だろう。 なぜそんな事をするのかという理由も簡単、俺がクラスのカーストの最底辺にいるから。 普通に話しかけると、自分の立場までに影響が及んでしまうから。 俺がクラスのカースト最底辺だとすれば、由比ヶ浜は上位のカーストに属する。 それを理解しているのだ。 由比ヶ浜は。 俺と喋ると由比ヶ浜のイメージが悪くなる。 逆に少し喋っていても、ちょっと親同士のことで・・・とでもごまかせば、幼馴染な訳だし不思議ではない。 別にそんなリスクを犯してまで俺に話しかける必要はないと思うが・・・ 「なぁヒキタニくん」 背後から突然声が聞こえた。 つーかヒキタニ君誰ですか。 うちのクラスにそんな人いましたっけ?ヒキタニ・・・比企・・・谷・・・・タニ・・・・・・・・・・・・・俺か。 そうなんだよな。 比企谷って携帯とかで打つときにひきたにって打たないと漢字が出てこないんだよな。 「なあ・・・聞いてる?」 「何」 「あのさぁ・・・ヒキタニくんって由比ヶ浜と仲良いの?」 「良いわけ無いだろ。 」 「じゃあなんでいつも喋ってんの?」 「親同士が仲良いから、ちょっとそのことで話してるだけだ」 「そ、そうなの?良かった~ありえないけど付き合ってたらどうしようとか思っちゃったよ」 なにそれ馬鹿にしてんの?ありえないけどとか絶対馬鹿にしてるよねこいつ。 モンスターにハンターされてしまえば良いのに。 「親同士の付き合いっていうのも大変だな~」 「まあな」 別にうちの親と由比ヶ浜の親が仲が悪いとかじゃないし、むしろ隣同士仲が良いとさえ思う。 だけどその影響が子供の俺達に及んでいるわけでもない。 だから、由比ヶ浜が無理に俺に話しかけてくる必要は無い。 むしろ俺にとっても、由比ヶ浜にとってもデメリットしかないのだ。 さっきも言ったがそれを由比ヶ浜は理解しているはずだ。 ならば何故こんなことになるかもしれないとわかっていながら、俺に話しかけるのか不思議でならない。 俺に同情の心なんて必要無い。 まあとりあえずおめでとう」 雪乃「はぁ・・・この為だったのね・・・もっと静かに出来ないのかしら?」 小町「雪乃さんツンデレだ!!」 陽乃「照れない照れない」 結衣「さいちゃんとか中二も来るって!!後で!」 陽乃「隼人達も来るらしいよ~あと静ちゃんと!!」 八幡「じゃあもう俺帰るよ??」 雪乃「居なさい。 今日は私の誕生日でしょ。 あなたには祝う義務があるわよ」 八幡「なんの義務だよ・・・」 小町「お兄ちゃん帰っても何のご飯もないよ?」 八幡「くっ!!策士か!」 結衣「ヒッキーはほっといて・・・ゆきのんはい!!これ!!」 雪乃「・・・何かしらこれ?」 結衣「えーっと・・・本!!」 雪乃「それは見たら解るのだけれど・・・」 結衣「今話題の犬と人との本当にあったいい話なんだって!!泣けるって有名らしいよ!!」 八幡「おい由比ヶ浜それの猫バージョン無かったのか。 お前本当は空気も読めないのか、アホだけじゃなかったのか」 結衣「なんで?犬可愛いよ!!」 八幡「そうだなでも雪ノ下には犬グッズを渡すな。 」 雪乃「何勘違いしているのかしら。 燃え尽きたgdgdですいませんなんか書かないとと思って・・・.

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俺ガイル二期感想|7話「されど、その部屋は終わらぬ日常を演じ続ける。」|ゆきのんと八幡は別れてしまうのか?|やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続

俺ガイル ss 八幡 病気

私は全国的にも有名な国立の大学へ、八幡と結衣は都内の同じ大学に合格、入学し、日々充実した毎日を過ごしていた。 新生活の始まりという時期で、以前のように頻繁には会えないけれど、 毎日欠かさずくれる電話口や、会った時の顔を見ていると、凄く満ち足りた感じが伝わってくる。 今日も結衣と大学の近くにあるカフェでお茶を飲みながら、日常の些細な事ばかり話題にしている。 でも、そんな些細なやり取りも、今の私には嬉しくて楽しいものばかりだった。 結衣のこの顔にはいい思い出がない。 結衣「だから~ヒッキーのこと!上手くいってるの?」 …ほら、やっぱり。 もう、事ある毎にそんな質問ばっかり。 別に嫌ではないけれど… 雪乃「別に。 普通だと思うわ。 八幡も教師になるって夢に向かって頑張っているし、私も応援しているし」 結衣「そうじゃなくて。 …心配になったりしない?ほら、ヒッキー大学行ってから変わったし」 雪乃「信用しているもの。 それに、彼に浮気する度胸なんてあると思う?」 結衣「それは…ないと思うけど。 なに?なにかあるの? 結衣「あ、ち、違うよ!?そんな不安そうな顔しないで!ゆきのんが想像してるようなもんじゃないから!」 雪乃「っ、別に不安になんて…」 結衣「じ、実はね、私も最近知ったんだけどね?」 雪乃「…」 結衣の慌てたような言い回しに、ドクリと胸が波打つ。 結衣「あのね、うちの大学の女子の間でね、その……ヒッキーの写真が出回ってて…」 雪乃「…………は?」 結衣「な、なんか女子の間で凄い人気らしい…ってか人気で…」 雪乃「どういう事かちゃんと説明して結衣」 結衣の話を聞いて思わず身を乗り出して詰め寄ってしまう。 …私も一度見せてもらったから間違いないし…」 雪乃「………」 ふつ、ふつ、と… これ、私は怒っていいのかしら? 唖然としながら聞いている私の背後を、数人の女性が昼食を終えて過ぎていった。 あなたは何も後ろめたい事なんか無いのでしょうね。 キラキラと、本当、初めて出会った頃には考えられないほどの笑顔で私に手を振って。 八幡「なんか久々だな、こうやって朝から……雪乃?」 雪乃「…………」 一方で、私はムスッと不機嫌顔。 まるで初めて出会った頃のように。 イライラする。 もやもやする。 だから、私はなにも言わずに… なにも説明せずに、話さずに… 有無も言わせず、強引にあなたに口づけをした。 驚いた顔。 …ざまぁみなさい。 戸惑った瞳…いい気味よ。 それでも私を抱きしめてくれる腕。 …それだけじゃ許してあげないんだから。 私を見つめてくれる、愛しげに細められた暖かな眼差し。 ……大好きよ。 雪乃「あの頃とは、もう違うのよ」 こうやって堂々と嫉妬できるのは、私があなたの特別でいられるから。 ありがとうございました。

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