りゅういーう。 ヴァイスシュヴァルツ キャンセル出すぎやで!:テラフォーマーズ

ヴァイスシュヴァルツ キャンセル出すぎやで!:テラフォーマーズ

りゅういーう

怒りと哀しみの果てに、膝丸燈、覚醒!! 秘められた能力を発動させ、燈は九頭龍からの猛攻に立ち向かう。 だが圧倒的に不利な状況は変わらず、敵が勝利を収めかけたその瞬間、誰も予期せぬ奇跡が起こる…! 悪と戦い抜く意思が、「継承」された魂が、火星の大地に今、光をもたらす!! 目次 第119話 THE SHARPEST LIVE 刃 第120話 RAISE LIGHT 再生 第121話 PLANARIA 虐待動物 第122話 LINE 生命線 第123話 CHASER 追跡者 第124話 KRABI-KRABONG 剣と棒 第125話 ANOTHER ONE 護る者と勝ち取る者 第126話 TOO EMPTY TOO LIVE TOO YOUNG TOO KILL 2つの命 第127話 BOERTE CHINUA 蒼白の狼 第128話 THE SELFISH GENE 延長された表現型 第129話 TERRA FOR MARS 誰が為に 本編あらすじ 第119話 THE SHARPEST LIVE 刃 凱は燈の斬撃を見て「母親から受け継いだ方の能力」と言う。 中国兵のセリフによるとやはりカマキリの特性であったようだ。 今号の扉絵にはバグズ2号の副長であった張明明(ミンミン)の姿が見え、前号で爆将軍が「返して貰おう」と言っていることからベースの由来は彼女と思われる。 ミンミンは元々スパイとしてバグズ技術を盗むためにアメリカへ潜入したが発覚して捕まり、国家間取引で被験体にされて20年前に火星に飛ばされ、作戦中に死亡した。 劉翊武(りゅういーう)とは幼なじみだ。 一方で、小町は燈がアキちゃん(秋田菜々緒)の子であると言う。 先ほどの扉絵には菜々緒の顔も見え、一見するとこの2人の女性から能力を受け継いだように見えるが、菜々緒のベースはカイコガであり、燈が手術に用いたのはオオミノガだから単純にイコールではない。 母体が2つあるというのは物理的にありえないので、「出産」の他に「特性」「遺伝情報」「体組織」などを受け継いでいることを指して「母親」と呼んでいるのは分かる。 本多博士は燈をどこでどうやって誕生させたのか?ミンミンが火星に行く前に出産しているとすると、オオミノガの手術をしたところで「アキちゃんの子」にはならない。 謎は残る…。 仲間の死での覚醒を果たし忘我に陥った燈。 複眼となり右腕はカマキリのそれに変形している。 「カマキリの刃がついたオオミノガの糸」を鎖鎌のように使い、周囲の中国兵を一瞬で皆殺しにする燈。 命乞いに激高し怒り心頭ではあるが、人としての意識はあるようだ。 はるか上空の九頭龍からさらなる「マーカー」を打ち込まれ、捕縛罠の蛇绕(シュアラオ)が雨あられと放たれる。 ミッシェルを一撃で殺すような威力の兵器、本当に捕まえる気あるのか…? 燈は九頭龍付近にまで斬撃を飛ばし応戦するが、いかんせん物量が違う。 やがてワイヤーに絡め取られ、その身を上空へ引き上げられてしまう。 刹那、半球状のフィールドが辺りを覆った。 けたたましい破裂音と共に焼き切れ、その機能を停止する捕縛装置。 目を見張る凱・爆の両将軍。 その力を行使したのは…一体の風格あるテラフォーマーであった。 そしてテラフォーマーの背後には裸身の女性の姿。 この女性は一体・・・? 第120話 RAISE LIGHT 再生 激高する凱。 電撃の能力者といえばアドルフ・ラインハルトだが、彼はすでにこの地で死んだはずだ。 それも中国の工作によって。 予期せぬ反撃にあい、一度は手中にした彼らの旅の目的、膝丸燈がまたこぼれ落ちる。 これを機会とばかりに燈めがけて走り寄るテラフォーマーの群れ。 金髪の女性は燈に糸を要求。 その考えを察した燈は糸の片方をテラフォーマーの群れへ、もう片方を彼女へと飛ばす。 これで導線はできた。 あとは…放射状の糸に電撃を流し込み、襲い来るテラフォーマーの群れを撃滅する女性。 雷の破裂音が空気をつんざく。 崩折れるテラフォーマーの群れ。 その中央に立つ彼女の顔を、燈はよく知っていた。 エヴァ・フロスト。 アドルフとともに爆死したと思われた彼女であったが、手術ベース・プラナリアの持つ何らかの特性によりあの爆発を生き延びていた。 アドルフの能力を吸収して。 この場所は、かつてドイツ班がテラフォーマーの軍勢に襲われたまさにあの場所であったのだ。 「道(そこ)を…退(ど)きなさい」雷光を纏い立つエヴァの姿は、彼女がこれまで見せたことのない凛とした決意と、何をしてでも仲間を必ず助けるという覚悟に満ちている。 雷神が再び火星の夜を斬り開く。 第121話 PLANARIA 虐待動物 日本原産「波渦虫」。 プラナリアとも呼ばれ、日本列島及び朝鮮半島・台湾・中国の澄んだ淡水に生息。 最大の特徴は全身に「全脳性幹細胞」を持つ点。 マーズランキング100位の彼女が手術ベースとしていた生物はプラナリア。 戦闘能力は皆無だが、全身に幹細胞を持ち驚異的な再生能力を有する。 生命の神秘としてよく実験対象になっている生物だ。 プラナリアの特長はどれだけ細切れに切断しても死なずに分裂して増えること、脳がなくても記憶を継承できることなどが特筆される。 アドルフが自爆したあの時、エヴァも確かに爆風に巻き込まれて肉体はバラバラに千切れ飛んだ。 だが彼女の胸部を覆っていた分厚い脂肪(おっぱい)が心臓を守り、そこを基点に全身が…脳や記憶までもが再生していたのだ!再生する際にアドルフの遺体を吸収していたらしく、そこからデンキウナギの能力までも取り込むことに成功している。 エヴァの片目の色が違っているのはそのためで、今の左目はアドルフ由来。 デンキウナギの能力は「放電する際に自分自身も感電する」という弱点がある。 本来のデンキウナギは分厚い脂肪でそのダメージを防いでいるものの、アドルフは大きく裂けた口元の皮膚からもわかるように直接そのダメージを体に負ってしまう。 それゆえアースを埋め込んで対策していたが、エヴァにはその装備がない。 エヴァは電撃を放つと大火傷をするが、プラナリアの再生能力で無理やり治していた。 能力を使う度に感電し、火傷で激痛が走る。 それでも彼女はテラフォーマーの群れに向かって雷槌を落とし続ける。 九頭竜からの熱線攻撃にも怯まず、顔の半分を吹き飛ばされても瞬時に再生。 もはや反則の能力。 脱出機に乗り込み逃走を試みる面々。 九頭龍が放った攻撃をエヴァが電磁バリアで反らし、そのまま逃げ去ることに成功。 バーサク燈の「飛ぶ斬撃」でアームとウィングを失っていた九頭竜は姿勢制御がうまくできず、追撃がままならない。 爆将軍の提案でひとまず着陸し、1号機に積まれたサンプルを回収することにする。 走る車上で、エヴァはミッシェルの体に電位が見えるという。 第122話 LINE 生命線 凱(カイ)将軍は言う。 バグズ手術には次の可能性があり、人類を人工的に進化させる材料として研究されるべき成功例が4人いる。 ミッシェル・K・デイヴス、膝丸燈、蛭間一郎、エヴァフロスト。 ミッシェルはMOを先天的に遺伝で受け継いだため、手術の成功率が著しく高かった。 なぜ父親が手術で獲得したMOが自然生殖で遺伝したのかは謎。 膝丸燈は本多晃によって作られた子で、産まれた時からMOを持つ。 どうやら張明明と秋田菜々緒にも関係があるらしい。 蛭間一郎は旧世代のバグズ手術でネムリユスリカの能力を与えられている。 戦闘能力は並だがクリプトビオシス(Cryptobiosis=隠された生命)という特性により、仮死状態になった後は驚異的な環境耐性を持つ。 高温・低温・放射線被曝にも生身で耐える事が可能だ。 もとはネムリユスリカの幼虫が砂漠で乾季を生き延びるための防衛行動らしい。 水をかけると生き返る。 エヴァは戦闘能力のランキングでは最下位だが、心臓ひとつから全身を再生し記憶まで蘇らせるという治癒能力がありほぼ不死身。 栄養源の確保が課題だ。 他にも中国は軍事利用を前提に不完全変態や細菌型など独自のアプローチで成果を上げてはいるが、上記の4人はいまだ特別な存在のようだ。 エヴァが操縦する脱出機で、ミッシェルに人工呼吸を施す燈。 左の肺から空気が漏れてくる。 燈は指先から糸を出す。 その先端には小さなカマキリの刃がついており、丁度針のついた縫合糸のようになっている。 燈は意を決するとミッシェルの胸元からシュアラオの破片を抜き取り、胸に空いた大穴の中を冷静に診て取る。 心停止、肋骨骨折、左肺、肺静脈の損傷…それらをミノムシの糸で縫合し、接着していく。 「うそ…速い!!」目を見張る八重子。 なぜ燈が外科的な知識と技術を持っているのかは分からない。 U-NASAの基礎訓練に含まれているのだろうか。 燈の糸はミッシェルの命を繋ぐか…!? 焦点の定まらない、力のない目をして膝をつく小町。 背後には袴を履いたテラフォーマーが蟷螂の斧を振りかざしている。 自分はただ火星で死にたかっただけなんじゃないか、そんな疑念が頭をかすめる。 隊員たちの無事を願う小町へ、テラフォーマーの斧が振り下ろされ…。 宙を舞ったのは小町の首ではなく、テラフォーマーの腕であった。 斬ったのはジョセフ。 ジョセフは斬り飛ばした腕をかじり、噛み砕き、飲み下す。 テラフォーマーにとどめを刺すのは劉翊武。 二人とも体のあちこちが欠損している。 劉は両腕がなく、ジョセフは右脚の膝から下がない。 ジョセフは見て分かるほどの速度で肉体を再生しており、その栄養補給のためテラフォーマーの肉片を食っているのだろう。 「艦長…薄々気づいてるんでしょう…?ならばあなたが死ぬのは…ここじゃあない…」ジョセフが言おうとしていることは何だろうか。 死に場所を得られなかった小町、なおも生存! 第123話 CHASER 追跡者 エヴァがミッシェルに電気ショックを施して蘇生を試みていたまさにその時、空を切って「何か」が彼女を襲った。 衝撃で吹き飛ばされるエヴァ。 糸でとっさに繋ぎ止め脱出機からの転落を阻止する燈。 振り返ったその目に映る人影は、中国班のジェット、そしてドルジバーキ。 劉や爆が乗った車両に合流するといってアネックスを飛び出した後は消息不明だったが、ここにきて最悪のタイミングで襲来。 先ほどエヴァを撃ったのはジェットが持つニシキテッポウエビの能力か。 ジェットはドルジとの連携プレイで燈の忍者刀を奪い取ると、脱出機の上で前後からの挟み撃ち隊形を採る。 脱出機の上には横たわるミッシェルとアレックス、驚異の再生能力を持ち斬っても斬っても(多分)死なないエヴァ、そしてすごく臭い八重子。 今まさに命がけの攻防が始まらんとする脱出機。 一方、アシモフらが乗った車両の上で捕虜となった西(シイ)が目を覚ました。 「やって貰うことがある」アシモフの鋭い眼光が西を射抜く。 思わず身をこわばらせる西。 果たしてアシモフの要求とは!? 第124話 KRABI-KRABONG 剣と棒 貧民街出身で食い扶持にありつくため軍に志願したジェット。 子供の頃から武術を学び強くなりたいと思っていたらしい。 彼が老師から教わったのは「カビー・カボーン」(KRABIKRABONG)と呼ばれる二刀術。 燈の忍者刀を奪い、刀と鞘を両手に構えたジェット。 燈は糸とカマキリの刃を組み合わせた鞭、もしくは鎖鎌のような武器。 舞うように剣を交える最中、巧みに糸をつかってジェットの腕を封じる燈。 瞬時に戦法を切り替え、足技を繰り出すジェット。 燈の首筋へハイキックが入ったと思いきや、体勢を崩し、膝をついたのはジェット。 攻撃を食らいながらも燈はジェットの右脚をくるぶしから切断。 ジェットは冷静な表情で燈の戦力を分析。 この余裕はおそらく再生能力によるものだろう。 甲殻型のため瞬時に再生が可能。 さてもう一人はドルヂバーキだ。 彼がまともに戦闘したシーンはなく、モンゴル出身で鼻がいい手術ベース、くらいの情報しかなかった。 今回はエヴァと対峙し名乗りを上げる。 出自は普通の家から普通に軍人になっただけで回想すらない。 ドルヂバーキは野性味あふれる見た目と裏腹に、極めて常識的かつ紳士的だ。 エヴァがおとなしくするなら傷つけることはしないが、目的遂行の障害となるなら容赦なく殺害すると宣言。 戦場に似つかわしくない男気あふれるスポーツマンである。 エヴァの不退転の決意を確認すると、彼は静かに目を閉じ…。 雷光よりも疾くエヴァの懐へ潜り込み、ミドルアッパーから足払い、転倒したエヴァに馬乗りでラッシュ。 中国班のメンバーのほとんどは、その特殊能力とは別に「職業」として対人格闘の訓練を積んでいる軍人である。 ドルヂバーキは変態しても見た目にこそ大きな変化はなく、「ただの毛深いオッサン」と言っても通じる程度の姿ではあるが、人間として習得している殺しの技術はエヴァのそれと比較にならない。 一方のエヴァはプラナリアの再生能力があるため、普通に殴って殺傷しようとしても難しく、電撃が当たれば一撃で相手の内臓まで焼く。 だから最後は捨て身で相手に接近して直接電気を流せばいいはずだ。 今はドルヂバーキの方から密着してくれているのだから、一瞬の隙さえあれば勝機はある。 第125話 ANOTHER ONE 護る者と勝ち取る者 ジェットは燈から奪った忍者刀を持っているが、鞘を衝撃波で飛ばし燈の喉を突く。 受けた燈は「明らかに投げた威力じゃねー」。 メキメキと骨が音を立てる。 相当に重い攻撃だったようだ。 燈が切断したジェットの右足は一瞬で何事も無く再生している。 投げ技からマウントポジションを獲った燈に、ジェットは起死回生の衝撃波を叩きつけ内臓を揺らす。 続けて顔面へ2発目。 白目をむき、膝をついた燈の首筋へジェットが忍者刀を突き立てる。 雨音だけが火星の空に広がり、勝者を静かに讃えていた。 第126話 TOO EMPTY TOO LIVE TOO YOUNG TOO KILL 2つの命 まだ燈が火星に向け地球を離れる前のことだ。 蛭間七星はとある用件で応接室に燈を呼び出した。 話の中身は燈の実の両親のこと。 U-NASAでは調べはついており、燈が希望するならその情報を開示する。 その意思確認だった。 燈はそれを知るべき時は今ではないと笑顔で拒否、任務完了後に考えると返答する。 七星は承諾し、専用武器である忍者刀・膝丸を燈へ託す。 膝丸の特殊能力は12種類あるらしいが、そのうちの1つについて解説がなされる。 忍者刀・膝丸は自ら超音波を発し、燈の手術ベースであるオオミノガがそれを反射する時の波長を感知して起動する。 つまり燈からのシグナルがない場合は性能を発揮しない。 つまりジェットが燈の首筋に斬りかかっても起動状態にない膝丸はナマクラの包丁と同じで、燈の頭部を切断するにはまったく及ばないということらしい。 確かにランカー上位の専用武器はテラフォーマーに強奪・回収された場合を想定し、能力との噛み合わせがないと活用できない仕組みになっているのが前提だ。 アドルフの電撃手裏剣、ミッシェルの加速装置、加奈子のエアロパーツなどを思い出して欲しい。 仮に回収されてもテラフォーマーではそれを活かせない。 だが膝丸がもし普通の刃物として十分な切れ味を持っていたらテラフォーマーでも簡単に使えてしまう。 それでは携行条件に合致しないのだ。 ジェットが渾身の力を込めて首を横に薙いだ忍者刀は、主である燈を絶命せしめることなく表皮で留まる。 ジェットが目を見張った次の瞬間には、燈はその両腕を大鎌に変態させジェットの両脚を切断していた…。 第二の能力・張明明から受け継いだ「ハナカマキリ」に覚醒した燈。 今回でようやく能力の出自が明言された。 空中戦艦をも斬って捨てる驚異の斬撃を前にジェットはなすすべもなく防戦。 最後に繰り出したキャビテーションも届かず、衝撃波ごと袈裟懸けに斬られ脱出機から転落。 明確な死の描写はないが、生きているにせよ相当な深手だ。 ひとまず決着。 自分の力だけでは勝てなかった。 自分に2組の親がいることに改めて感謝を述べ、呼吸を整えた燈が見やった方向にはエヴァをボコボコにした荒ぶるドルヂバーキが待ち構えていた。 第127話 BOERTE CHINUA 蒼白の狼 対峙する燈とドルヂバーキ。 勝負は一瞬だと燈は覚悟を決め、制空圏に入った瞬間の居合いに全てを賭ける。 だが、敵が間合いに入ったことを感知する暇すら与えられず、次のコマですでに密着を許してしまっていた。 ここでバーキの能力がハイイロオオカミであると明らかになる。 能力はニオイで世界を「視認」できること。 我々が高いところに登って遠くまで見渡すと、ずっと向こうで煙が上がっているのが見える。 それで何かが燃えていると分かり方角やおおよその距離を判断できるのだが、イヌの場合はそれと同じことを目でなく鼻で判断することができるというわけだ。 その嗅覚をプロの軍人が対人格闘に応用するとどうなるか。 筋肉が発する乳酸の臭いで相手の眼球運動が把握できるらしい。 だから動きが読め、敵を圧倒できるという理屈。 なすすべもなくラッシュに沈んだ燈。 容赦なくトドメを浴びせようとするバーキの前に、八重子が身を挺して割り込みクスリを使う。 バーキはその意図を察し、親切にも忠告する。 臭気でダメージを与えることはできないと。 八重子の能力はシマスカンク。 テラフォーマーの群れが進むのをためらうほどのニオイを発する。 イヌのような嗅覚に優れた動物なら気絶させられるのでは?と考えるのは自然な流れだが、バーキもそんなことは承知している。 イヌは人間の1億倍の嗅覚を持つと言われるが、1億倍の強さでニオイを感じているわけではないらしい。 バーキも決して無駄な争いを望んでいるわけではなく言葉で解決できるならそうしたいが、八重子も黙って仲間を見殺しにはできない。 イチかバチか、やってみなきゃわかんないと意を決して分泌液を尻から飛ばす八重子。 せっかく放った分泌液も手で軽く払われてしまった八重子。 万事休すかと思われたが、このアクションの裏で燈はこっそり糸を紡いでいた。 その糸はドルヂバーキの鼻に向かっており、八重子の分泌液は糸を伝ってダイレクトに鼻の粘膜へ!! くさやの16,000倍とされるニオイの源、有害成分「ブチルメルカプタン」が直接ドルヂバーキの嗅覚細胞を破壊する。 顔を手で覆い絶叫しながら車上を転げまわるドルヂバーキ。 その背後にユラリと立ち上がるエヴァ=フロスト。 彼女が放った電撃を起点に、スカンク由来の引火性ガスが大爆発を起こす。 ドルヂバーキの巨体が軽やかに宙を舞い、脱出機のはるか後方へ墜落。 「まったく…失礼なヤツだったわ」安堵する八重子の足元で昏倒し白目をむいている燈…。 第128話 THE SELFISH GENE 延長された表現型 第129話 TERRA FOR MARS 誰が為に 息つく間もなく、凱将軍に操られた『ゾンビ』ゴキブリが迫る。 地球では首相たちがなにやら動いているようだ。 皆殺しをもくろむ凱将軍とは裏腹に、中国首相は帰還を命じる。 ドイツ、日本、アメリカにもなんらかの情報が伝えられたようだ。 火星に走る『フロンティアスピリッツ』からの通信。 健在なもの、倒れているもの、燈は捕まっている。 伝えられるアシモフの娘と孫の無事。 アシモフは発奮、燈も果敢に反撃を試みる。 小町一行はバグズ1号の着陸地点にいた。

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7月5日生まれのキャラクター誕生日

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地球では、各国首脳が一同に会し、火星計画のもたらす利権を巡って熾烈な駆け引きを繰り広げる。 火星では、燈とミッシェルを狙う者たちが、その姿を現す…! 次第に浮き上がる「対立」、そして遂に明らかになる「裏切り」。 人間VSゴキブリの構図を超えて、物語は激転する! 目次 第53話 MASTER 男たち 第54話 BEAR 野蛮と傷跡 第55話 END OF THE BRAIN 空の頭 第56話 A PLAN あるプラン 第57話 MINE 地雷原 第58話 CENTURY OF RAISING ARMS 戦闘と戦争 第59話 VS. WEAPON 対人兵器 第60話 THE LIFE FROM DEVILISH 悪魔生物 第61話 FRIEND HERE 同盟見参 第62話 RATSBANE 遊撃の軍勢 第63話 OUT OF 情勢の外 本編あらすじ 第53話 MASTER 男たち テラフォーマーの襲撃を払いのけ、ようやく合流した日米合同一二班の脱出機。 アレックスがゆっくりと機体から降りてくる。 こちらへ向かう途中、彼は脱出機の上から双眼鏡で探していた。 どれだけ探しても見当たらない、その理由はひとつしか考えられなかった。 小町とマルコスは各々が自責の念に酔い、アレックスへ謝罪しようとする。 小町より先に飛び出したのはマルコス。 「すまなかった!」アレックスの目の前で地面に手をつき土下座する。 シーラを死なせたのは自分のせいだと。 アレックスはそんなマルコスを一発殴る。 「今殴ったのはオメーが殴ってほしそうな顔してたからだ」マルコスは罵倒され殴られることで救われようとしたが、アレックスは安い贖罪に使われることに応じなかった。 自分たちがまっとうな人生を手に入れ、地球へ生還しシーラの墓前にそれを報告するため、今なすべきことは泣くことじゃない。 そういってマルコスの肩を抱くアレックスは健やかな強さを持っているように見えるが、目の前でシーラが死んだわけではないのでまだ現実感がないだけとも思える。 「ようやく…1日か…ようやく…」そんな彼らを後押しするかのように、火星の夜が明ける。 日米合同班の一日の成果はテラフォーマーサンプル207体捕獲、死者11名。 地球からの回収船が来るまで38日半。 U-NASA本部の前では複数のパパラッチが「会議」の噂を聞きつけ、特大の望遠レンズで覗き見をしていた。 そこへ現れたのはアメリカ大統領、グッドマン。 最高権力者が自ら議場に乗り出すという事実が、特ダネの期待をこれでもかと高めてくれる。 同じ議場には日本国第502代内閣総理大臣 蛭間一郎も参席している。 どうやらバグズ2号で外部勢力と内通し破壊工作を行った裏切り行為は不問にされたらしい。 38歳で総理大臣にまで上り詰める。 第54話 BEAR 野蛮と傷跡 機体のチェックを終え嘆息する小町。 その理由は脱出機の翼と変形装置の故障だ。 テラフォーマーの投じた爆弾によって破壊されてしまったらしく、走行はできても飛ぶことができない。 第二班の脱出機と同様だ。 彼らはAEウイルスのサンプル研究、変態のための薬の補給、他班との合流のため母艦であるアネックス1号に戻らなければならないが、地形に沿って走ると到着まで数日から一週間はかかる見通しだ。 決して明るくない展望に動揺する隊員たちだが、小町が次に出した指示は寝ることだった。 驚く一同にミッシェルは言う。 「いいんだよ、お前ら、生きてんだから食って寝ろ」「確かに他班も心配だし死んだ仲間のことは忘れてはいけない。 ここは戦場だからな」 「だが、お前らは銃弾じゃあない。 人間なんだ」「悲しい時に泣き、怒った時に吼え、それが済んだら冗談でも言って笑っていろ」「でなければ人間の戦いではなくなる」ミッシェルがかつてテラフォーマーへの復讐に囚われ余裕をなくしていたことを知る小町は、人間として成長したミッシェルを見て口元を緩めるのであった。 墓石の前で、盛り上がった地面と大きな石の組み合わせがいくつか並んでいる。 直感的にこれが墓だと分かるその石の前で、アレックスは一人何かを想っていた。 「いい子だったね。 かわいかった」「ああ…」八重子は静かにシーラのことを語るアレックスの様子を見て、無理せず泣けばいいと言う。 マルコスやシーラの前では最年長として兄貴分を演じなければならないとしても、チームの仲間にはもっと助けてもらってもいい。 八重子とくだらない冗談を交わしながら、アレックスも初めて涙を見せるのだった。 その後夜営中にはゴキブリの襲来はなく、プランデルタに沿えば地球から救助艦が来るまであと37日。 もしかしたら生き延びられるのではないか。 クルーの間に希望が芽生え始めていた。 各国の首脳が集うU-NASAの本会議場では、アメリカ大統領グッドマンの口から意外な言葉が飛び出していた。 「プランデルタの救助艦は飛ばしておりません」 第55話 END OF THE BRAIN 空の頭 地球からの救助船が来るまでの日数を指折り数え、希望をつなぐ火星の隊員たち。 しかしU-NASAの本会議場でアメリカ大統領・グッドマンの口から出た言葉は「救助艦は飛ばしておりません」というものだった・・・。 アネックス1号への帰還を果たすため走行を続ける日米合同一・ニ班の脱出機。 両機ともに故障で飛ぶことはできないため、地形に添って進んでいる。 もうかれこれ4日もの間、テラフォーマーの襲撃はない。 初日の猛攻が嘘のようだ。 ミッシェルは訝っていた。 小町は推測する。 ゴキブリたちの戦い方が途中からおかしかった。 一糸乱れぬ動きで自分たちを追い詰めていたのに、急に統率が崩れ作戦展開が雑になっていた。 指揮系統に何か問題が発生したのではないか? もしそうだとしたら、このままアネックス1号に帰りサンプル研究に着手できれば任務が成功する確率はかなり高くなる。 このまま大きな谷がなければ、あと1日走ればアネックスに辿り着けるはずだ・・・。 アシモフ率いるロシア班は引き続きピラミッドの調査を進めていた。 そこはドーム状の部屋。 壁や天井に星の絵が描かれたあの部屋だ。 アシモフが言うには、これは近隣のピラミッドを崩し、それを材料としてテラフォーマーに作りなおされたもので、いわゆるラハブの神が造ったものではない。 これを実現させるには、高い知能と明確なヴィジョンを持ち、火星が球体であることを理解して外科手術を行うこともできる強力なリーダーがいるはずだ。 だが自分たちに追手がかからないことから見て、「極めて有能な大将がいた。 が、死んだ」。 「物量では圧倒的に不利だが、敵がワンマンならチャンスはある」 皆目わからないといったイワンらを尻目に笑みを浮かべるアシモフだったが、しかし彼らが探している「アレ」はここにもないようだった。 かつて目にした、そこに鎮座しているはずの「剣」は台座から消え失せていた・・・。 「…もう6日…」脱出機でアネックスから飛んだあと、テラフォーマーに網で捉えられ消息不明になっていた第六班のクルーが初めて登場。 どうやらジョセフの指示で洞窟に身を潜め、単独行動しているジョセフの帰りを待っている。 ジョセフは一体どこに…!? 第56話 A PLAN あるプラン U-NASA本会議場で各国首脳が相手の出方を伺う中、中国代表が話を切り出した。 そもそもMO手術を施した人間を火星に送る事自体が非効率で非現実的であると指摘。 テラフォーマーに対処するだけなら無人兵器や薬品の類でどうとでもなるとし、「全ては『MO手術』の人体実験をする為に!」「全否定しやがった!!」 「火星に居る者の救助については中国が主導しましょう。 既に戦術兵器を搭載した救助艦が配備してあります」と提案する。 アメリカ大統領グッドマンは議場のテーブルの下で拳を固く握り、怒りに震えていた。 救助艦が飛ばないのは中国の破壊工作のせいだ。 だがここでそれを言えば地球で核戦争が起こる。 各国の首脳たちも、中国の筋の通った建前に表立った反論はできないのだった。 合流地点であるアネックス1号へと脱出機を走らせる小町だが、ミッシェルとの会話が噛み合わない。 それは火星到着初日のSOSについてだった。 ミッシェルら日米二班は一班とローマ班からのSOSをキャッチしていたが、小町の一班はSOSを打っていない。 確かに作中でも一班が救難信号を発した描写はなく、いつ誰が打ったのか不明なままであった。 ・・・何かがおかしい。 彼らが抱える疑念はより一層濃さを増していく。 小町らが間もなく到着しようとしている、墜落したアネックス1号の前。 何体かのテラフォーマーたちがそれに近づこうとしていたが、地雷によって足を吹き飛ばされ宙へ舞った。 「地雷オッケー!」そのテラフォーマーを片手でつかみ、整列する隊員たちに生け捕りの仕方を講釈する眼鏡をかけた髭面の男。 「え~サンプルは生け捕りが望ましいですが、最悪、死体でも構いません」第四班班長、劉翊武(りゅう・いーう)。 マーズランキング44位。 第57話 MINE 地雷原 教本通りの展開で生きていた、劉翊武(りゅう・いーう)率いる中国アジア第4班。 アドルフが見つけた身元不明の焼死体の群れは一体どうやってこしらえたのか?彼らの目的は「奇跡の子」、ミッシェルと燈をサンプルとして捕獲、最悪殺してでも持ち帰ること。 テラフォーマーはあくまでそのための障害に過ぎず、見たところ「ラハブ」の謎には興味が無さそうでロシア班とは競合しない様子。 彼らが待ち受けるアネックス1号へと向かう日米合同班だが・・・? アネックス号の前で班員を整列させ作戦概要について説明を続ける劉。 日米合同班が間もなくここへ到着することをどうやってか正確に予測できている。 飄々と掴みどころのない様子で、おそらく人間同士の戦闘になるであろうことを伝えていた。 劉翊武のマーズランキングは44位で、幹部の中では群を抜いて低い。 また部下4名の名前と序列が明かされたが、いずれも49位~99位とランキング上は冴えない。 ようやく「ジェット」という名が明らかになった彼は61位と、態度がでかかった割にマーズランキングでは下位。 班員の手違いで対空シールドが機能しておらず、空から30~40匹のテラフォーマーがアネックスへ迫る。 劉は動じる様子もなく対空戦闘を指示すると、部下であるジェットが大型の装置を持ち出してきた。 何本もの足がついた円筒形をしている。 彼がそのスイッチを入れると、あまりにも容易に装置は自動で飛来するテラフォーマーに照準を合わせ、銃弾を吐き出して迎撃する。 見る間にバラバラの肉塊となり飛散するテラフォーマーの群れ。 進化型テラフォーマーの指揮がなくては高度な戦術を組むことができないらしく、テラフォーマーはただ直線的に向かってくるだけ。 機械的な動きならば、迎撃も機械で充分対応できるというわけだ。 文明の利器の威力にほくそ笑み勝ち誇る劉であった。 「あはははははは!文明の利器ってスゲーー!!」 日米合同班の脱出機は、アレックスの視力でかろうじてアネックス1号が目視できる距離まで接近していた。 小町はそこで何かを察知し、慶次(シャコの超視力)とジャレッド(シャチのソナー)に観測を指示する。 慶次が変態して見たのはアネックス周辺に人がいて、不可視光線が張り巡らされている事実。 ジャレッドが聴いた音は地中に地雷が埋め込まれていることを示していた。 小町はその報告・・・アネックスに本来備わっていないはずの武装が出現している事実・・・を知って劉が裏切ったことを確信し、彼と敵対する意思を決める。 「非戦闘員が死ぬと分かっていてここまでやるか…。 悲しいぞ劉…ここまでやられちまったら俺は…」(殺らなきゃならねぇ…!!) 彼が思い出していたのは地球での幹部会の後、劉たち幹部と一緒にラーメンをすすった日のことだった。 同じ釜の飯を食った仲とは言え、国家の思惑の前に個人の感情は捨て去らねばならない。 劉は部下らに戦闘準備を命じた。 「総員…実践準備!」 第58話 CENTURY OF RAISING ARMS 戦闘と戦争 危険を察知して停止した脱出機に、劉から通信が入った。 ミッシェルと劉の種明かし問答が続く。 4班のメンバーのランク自体が工作によって操作されている可能性を示唆した。 中国班はランク自体が嘘で意味を成さないようだ。 一班から出されるはずのなかったSOSを偽装し、各班がアネックスまで帰り着く時間を引き伸ばしたことも判明。 また火星着陸前の奇襲やその後の強引なプランデルタへの移行も、中国班の工作によるものだった。 憤るミッシェルを鼻で笑い、劉は言う。 対処できていなければ怪しんでないのと同じだと。 そして他にも協力者がいることを匂わせるが問答はここで打ち切り。 彼は日米班に向けて「今から君たちに向けてミサイルを撃とうと思います。 誤差1m以内の最新のやつを二発撃ちます。 200%助かりません。 それが嫌なら膝丸くんとデイヴスさんだけ丸腰で走ってここに来なさい」 憤る燈とミッシェルだが、彼らが出て行けば残った脱出機は用済みとなり攻撃される。 対策を決めかねる日米班。 その様子を観察しながら待つ劉たち中国班。 本当は地雷原へ誘い込み、機動力を奪って置きたかった。 地雷探知ができそうなアドルフへゴキブリをけしかけて合流を阻止したが、シャチの音波測定で地雷を探知できるとは思っていなかったようだ。 「この肉体派が!」そこへ新手のテラフォーマーたちが現れ、中国班へ向けて投石器による攻撃を開始する。 対空シールドが起動すると、エネルギーを持った光線の網がアネックスの周囲を覆う。 飛んでくる石はことごとく網にかかり無力化されてしまう。 これまでの人間とは違うとテラフォーマーに吼える劉。 彼の脳裏にミンミンの影がよぎる。 コンピューターによる正確な弾道計算と狙撃スコープ、レーダーにかからないライフル弾がなければこの網を抜くことはできないと啖呵を切る劉の頬を、拳大の石がかすめて一直線に通り抜けていった!「メジャー行きなよ」 石を投げたのはアレックス。 針の穴を通すような精密狙撃を己の肉体のみで行い、劉の背後にある対空レーザーのメイン基板を撃ちぬく!メイン基板が破壊され予備システムに切り替わるまでのほんの僅かな「実に0. 8秒」の間に、最速の女・三条加奈子はその仕事を終えていた。 気づいた時には中国班の一人が顔を潰され昏倒している。 その傍らに立つ小町。 加奈子はハリオアマツバメの能力と人工的なエアロパーツにより超高速飛行を実現し、小町ほどの体格の人間を瞬きする間に運び的確なポイントへ投下することができるのだった。 帰り際、苦痛に顔を歪める加奈子。 左足のつま先を対空シールドにひっかけてしまったらしく、指の部分がちぎれ飛んでいる。 憤怒の形相で振り返った小町は、その毒針をゴキブリではなく人間相手に振るおうとしていた。 「武器を持ったままで構わん。 一列に並べ!」 第59話 VS. WEAPON 対人兵器 慶次が対空シールドの隙間を見つけ、アレックスが針の穴を通すような精密な投擲でその隙間からシールドの基盤を破壊し、システムが再起動するほんのわずかな時間で加奈子が敵陣へ小町を運ぶ。 変態し中国班17名の間近へ単身乗り込んだ小町。 人類の裏切り者たちへ怒りの鉄拳制裁タイムが始まる。 小町を包囲している中国班。 隊員が拳銃で狙い撃つも、変態によって照準器から放たれる赤外線が「見えて」いる小町はその弾道を知ることができ、拳で弾丸を払いのける。 重いアッパーの一撃でのされるドルヂバーキ。 ジェットが正拳突きのようなフォームで拳から何かを射出し、小町は反応したものの「バチッ」と音を立てて弾かれ一瞬の隙ができる。 そこへ再びアレックスから対空シールドの隙間を縫う援護射撃の鉄球が劉目がけて放たれるが、李が操作した強力な電気磁石のような装置によって軌道を曲げられ不発に終わる。 アレックスの精密な挙動に冷や汗をかき注意を奪われる李。 (本部の工作が済んだ後に滑り込んで来たのがあんな精密機械だとは…) よそ見をしている間に態勢を立て直した小町が裏拳による「お仕置き」をぶちかまし、李の体は軽々と宙に舞ってしまった。 相対する劉と小町。 圧倒的な戦闘力を誇る小町を前にしてなお、劉はまだ変態してしない。 人間のまま格闘戦に挑む。 劉の読みは「小町は対人戦の素人」。 テラフォーマーを倒す訓練はしていても、人間を相手にすることには慣れていない。 そこに隙が生じるはず。 同時に拳を放った二人だが、劉の予想に反し小町は躊躇なくその毒針を3発叩きこむ。 右胸、左脇腹、そして左頬。 オオスズメバチの毒の致死量は100kgの人間に対し400mg。 小町のサイズの毒針ならそれだけの量をゆうに流し込める。 さらにアナフィラキシーショックも考慮すれば致死率は跳ね上がり、生きていても神経毒で激痛が待ち受ける。 これから劉を待ち受ける悲惨な運命を説き、さらに「俺の専用武器は『解毒剤』だ」。 隊員たちを脅し投降を呼びかけるが、劉はピンピンしており自分ごと小町を撃てと隊員に命じる。 「流石は元殺人犯。 とうに童貞は捨てているって訳ね…」 無表情で了解する爆(バオ)。 小町の腕を掴み、奥歯に仕込んだ薬で切り札の人為変態を披露した劉。 手術ベースは激烈な神経毒を持ち悪魔の魚として恐れられる軟体動物型の「ヒョウモンダコ」。 「楽しかったよ艦長。 だが戦争は俺らが勝つ」 第60話 THE LIFE FROM DEVILISH 悪魔生物 裏切りが発覚した中国班の懐へ単身乗り込んだ小町。 タイマンに持ち込み躊躇なく劉に毒針を叩きこむが、劉は奥歯のリモコンで自分の腸に埋め込んだ薬のカプセルを作動させし変態。 部下に自分ごと小町を撃つよう命じる。 中国班のメンバーは経歴・ランキング・手術ベース・工作の目的・・・その全てを隠していた。 そして彼らの手術ベースは対人戦闘を想定して選ばれている。 劉は手術ベースをアナコンダと偽りランキングこそ44位に甘んじていたが、その実態はヒョウモンダコ。 地上最強の神経毒を持つデビルフィッシュである。 劉は触手で小町の両腕を締めあげ、部下たちは命令通りに班長ごと小町の足を撃ちぬく。 両脚を撃たれ耐えられずに転倒する二人。 だが劉の足はすぐに再生を始める。 痛くはないのだろうか? 立ち上がり小町を見下ろす劉。 艦長を人質に取りミッシェルと燈に投降を呼びかける腹づもりであったが、意外なことに脱出機が2台とも小町を見捨てて高速で離脱を始める。 自分には人質の価値はない、部下たちにはやるべきこと・・・距離を取り、戦力を整え、作戦を立て直す・・・が見えていると吼える小町。 その様子から単なる虚勢ではないと察知した劉は、小町自身に治療と引き換えに交渉に協力するよう持ちかける。 薬が切れて変態が解け、血を失って毒が回り、うつろな目で呼吸を荒げる小町であったが、死に瀕してなおテロリストとの交渉には応じることはなかった。 あんたの命だけは助けたいと言う劉に対して「…相変わらず冗談ばっかりだな劉さんよ」と苦笑する小町に、「ああ冗談だ。 艦長ならそう言うと分かっていた。 だから…今のは冗談だ」と劉が返した刹那、固定砲台が火を吹き小町の頭に、心臓に、全身に無数の穴を穿った! 全身から血を流してボロクズのように地に伏した小町の亡骸に軽く嘆息し、脱出機との交信を試みる劉。 人質作戦が失敗した以上、もはや実力行使しか残されていない。 その様子を見ていた紅(ホン)はある違和感に気づく。 あの固定砲台は静止した対象も攻撃できる仕組みだっただろうか・・・?なぜ爆(バオ)は小銃でなく固定砲台を使ったのだろうか?なぜ?その答えを思いつくより先に西(シー)が明らかに緊迫した声で紅を呼ぶ。 「吸うな!ガス兵器だッ!!!」小町の死はガスによって引き起こされた集団幻覚だった。 「いつからだ!?」「いつからオレ達は・・・」「幻覚を見ていた!?」正気に戻った中国班メンバーたちは小町の姿がないことに気づく。 そして同時にガスの濃度が明確に中国班員の殺害を目的にしていることにも。 「いたな…そういえば僕等以外にも軍人が」ガスを撒いたのはロシア班のイワン・ペレペルキナ。 「…なぁイワン。 どんな幻覚見てると思う?」 イワン・ペレペルキナ マーズランキング6位 植物型-チョウセンアサガオ- manga-diary.

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りゅういーう

怒りと哀しみの果てに、膝丸燈、覚醒!! 秘められた能力を発動させ、燈は九頭龍からの猛攻に立ち向かう。 だが圧倒的に不利な状況は変わらず、敵が勝利を収めかけたその瞬間、誰も予期せぬ奇跡が起こる…! 悪と戦い抜く意思が、「継承」された魂が、火星の大地に今、光をもたらす!! 目次 第119話 THE SHARPEST LIVE 刃 第120話 RAISE LIGHT 再生 第121話 PLANARIA 虐待動物 第122話 LINE 生命線 第123話 CHASER 追跡者 第124話 KRABI-KRABONG 剣と棒 第125話 ANOTHER ONE 護る者と勝ち取る者 第126話 TOO EMPTY TOO LIVE TOO YOUNG TOO KILL 2つの命 第127話 BOERTE CHINUA 蒼白の狼 第128話 THE SELFISH GENE 延長された表現型 第129話 TERRA FOR MARS 誰が為に 本編あらすじ 第119話 THE SHARPEST LIVE 刃 凱は燈の斬撃を見て「母親から受け継いだ方の能力」と言う。 中国兵のセリフによるとやはりカマキリの特性であったようだ。 今号の扉絵にはバグズ2号の副長であった張明明(ミンミン)の姿が見え、前号で爆将軍が「返して貰おう」と言っていることからベースの由来は彼女と思われる。 ミンミンは元々スパイとしてバグズ技術を盗むためにアメリカへ潜入したが発覚して捕まり、国家間取引で被験体にされて20年前に火星に飛ばされ、作戦中に死亡した。 劉翊武(りゅういーう)とは幼なじみだ。 一方で、小町は燈がアキちゃん(秋田菜々緒)の子であると言う。 先ほどの扉絵には菜々緒の顔も見え、一見するとこの2人の女性から能力を受け継いだように見えるが、菜々緒のベースはカイコガであり、燈が手術に用いたのはオオミノガだから単純にイコールではない。 母体が2つあるというのは物理的にありえないので、「出産」の他に「特性」「遺伝情報」「体組織」などを受け継いでいることを指して「母親」と呼んでいるのは分かる。 本多博士は燈をどこでどうやって誕生させたのか?ミンミンが火星に行く前に出産しているとすると、オオミノガの手術をしたところで「アキちゃんの子」にはならない。 謎は残る…。 仲間の死での覚醒を果たし忘我に陥った燈。 複眼となり右腕はカマキリのそれに変形している。 「カマキリの刃がついたオオミノガの糸」を鎖鎌のように使い、周囲の中国兵を一瞬で皆殺しにする燈。 命乞いに激高し怒り心頭ではあるが、人としての意識はあるようだ。 はるか上空の九頭龍からさらなる「マーカー」を打ち込まれ、捕縛罠の蛇绕(シュアラオ)が雨あられと放たれる。 ミッシェルを一撃で殺すような威力の兵器、本当に捕まえる気あるのか…? 燈は九頭龍付近にまで斬撃を飛ばし応戦するが、いかんせん物量が違う。 やがてワイヤーに絡め取られ、その身を上空へ引き上げられてしまう。 刹那、半球状のフィールドが辺りを覆った。 けたたましい破裂音と共に焼き切れ、その機能を停止する捕縛装置。 目を見張る凱・爆の両将軍。 その力を行使したのは…一体の風格あるテラフォーマーであった。 そしてテラフォーマーの背後には裸身の女性の姿。 この女性は一体・・・? 第120話 RAISE LIGHT 再生 激高する凱。 電撃の能力者といえばアドルフ・ラインハルトだが、彼はすでにこの地で死んだはずだ。 それも中国の工作によって。 予期せぬ反撃にあい、一度は手中にした彼らの旅の目的、膝丸燈がまたこぼれ落ちる。 これを機会とばかりに燈めがけて走り寄るテラフォーマーの群れ。 金髪の女性は燈に糸を要求。 その考えを察した燈は糸の片方をテラフォーマーの群れへ、もう片方を彼女へと飛ばす。 これで導線はできた。 あとは…放射状の糸に電撃を流し込み、襲い来るテラフォーマーの群れを撃滅する女性。 雷の破裂音が空気をつんざく。 崩折れるテラフォーマーの群れ。 その中央に立つ彼女の顔を、燈はよく知っていた。 エヴァ・フロスト。 アドルフとともに爆死したと思われた彼女であったが、手術ベース・プラナリアの持つ何らかの特性によりあの爆発を生き延びていた。 アドルフの能力を吸収して。 この場所は、かつてドイツ班がテラフォーマーの軍勢に襲われたまさにあの場所であったのだ。 「道(そこ)を…退(ど)きなさい」雷光を纏い立つエヴァの姿は、彼女がこれまで見せたことのない凛とした決意と、何をしてでも仲間を必ず助けるという覚悟に満ちている。 雷神が再び火星の夜を斬り開く。 第121話 PLANARIA 虐待動物 日本原産「波渦虫」。 プラナリアとも呼ばれ、日本列島及び朝鮮半島・台湾・中国の澄んだ淡水に生息。 最大の特徴は全身に「全脳性幹細胞」を持つ点。 マーズランキング100位の彼女が手術ベースとしていた生物はプラナリア。 戦闘能力は皆無だが、全身に幹細胞を持ち驚異的な再生能力を有する。 生命の神秘としてよく実験対象になっている生物だ。 プラナリアの特長はどれだけ細切れに切断しても死なずに分裂して増えること、脳がなくても記憶を継承できることなどが特筆される。 アドルフが自爆したあの時、エヴァも確かに爆風に巻き込まれて肉体はバラバラに千切れ飛んだ。 だが彼女の胸部を覆っていた分厚い脂肪(おっぱい)が心臓を守り、そこを基点に全身が…脳や記憶までもが再生していたのだ!再生する際にアドルフの遺体を吸収していたらしく、そこからデンキウナギの能力までも取り込むことに成功している。 エヴァの片目の色が違っているのはそのためで、今の左目はアドルフ由来。 デンキウナギの能力は「放電する際に自分自身も感電する」という弱点がある。 本来のデンキウナギは分厚い脂肪でそのダメージを防いでいるものの、アドルフは大きく裂けた口元の皮膚からもわかるように直接そのダメージを体に負ってしまう。 それゆえアースを埋め込んで対策していたが、エヴァにはその装備がない。 エヴァは電撃を放つと大火傷をするが、プラナリアの再生能力で無理やり治していた。 能力を使う度に感電し、火傷で激痛が走る。 それでも彼女はテラフォーマーの群れに向かって雷槌を落とし続ける。 九頭竜からの熱線攻撃にも怯まず、顔の半分を吹き飛ばされても瞬時に再生。 もはや反則の能力。 脱出機に乗り込み逃走を試みる面々。 九頭龍が放った攻撃をエヴァが電磁バリアで反らし、そのまま逃げ去ることに成功。 バーサク燈の「飛ぶ斬撃」でアームとウィングを失っていた九頭竜は姿勢制御がうまくできず、追撃がままならない。 爆将軍の提案でひとまず着陸し、1号機に積まれたサンプルを回収することにする。 走る車上で、エヴァはミッシェルの体に電位が見えるという。 第122話 LINE 生命線 凱(カイ)将軍は言う。 バグズ手術には次の可能性があり、人類を人工的に進化させる材料として研究されるべき成功例が4人いる。 ミッシェル・K・デイヴス、膝丸燈、蛭間一郎、エヴァフロスト。 ミッシェルはMOを先天的に遺伝で受け継いだため、手術の成功率が著しく高かった。 なぜ父親が手術で獲得したMOが自然生殖で遺伝したのかは謎。 膝丸燈は本多晃によって作られた子で、産まれた時からMOを持つ。 どうやら張明明と秋田菜々緒にも関係があるらしい。 蛭間一郎は旧世代のバグズ手術でネムリユスリカの能力を与えられている。 戦闘能力は並だがクリプトビオシス(Cryptobiosis=隠された生命)という特性により、仮死状態になった後は驚異的な環境耐性を持つ。 高温・低温・放射線被曝にも生身で耐える事が可能だ。 もとはネムリユスリカの幼虫が砂漠で乾季を生き延びるための防衛行動らしい。 水をかけると生き返る。 エヴァは戦闘能力のランキングでは最下位だが、心臓ひとつから全身を再生し記憶まで蘇らせるという治癒能力がありほぼ不死身。 栄養源の確保が課題だ。 他にも中国は軍事利用を前提に不完全変態や細菌型など独自のアプローチで成果を上げてはいるが、上記の4人はいまだ特別な存在のようだ。 エヴァが操縦する脱出機で、ミッシェルに人工呼吸を施す燈。 左の肺から空気が漏れてくる。 燈は指先から糸を出す。 その先端には小さなカマキリの刃がついており、丁度針のついた縫合糸のようになっている。 燈は意を決するとミッシェルの胸元からシュアラオの破片を抜き取り、胸に空いた大穴の中を冷静に診て取る。 心停止、肋骨骨折、左肺、肺静脈の損傷…それらをミノムシの糸で縫合し、接着していく。 「うそ…速い!!」目を見張る八重子。 なぜ燈が外科的な知識と技術を持っているのかは分からない。 U-NASAの基礎訓練に含まれているのだろうか。 燈の糸はミッシェルの命を繋ぐか…!? 焦点の定まらない、力のない目をして膝をつく小町。 背後には袴を履いたテラフォーマーが蟷螂の斧を振りかざしている。 自分はただ火星で死にたかっただけなんじゃないか、そんな疑念が頭をかすめる。 隊員たちの無事を願う小町へ、テラフォーマーの斧が振り下ろされ…。 宙を舞ったのは小町の首ではなく、テラフォーマーの腕であった。 斬ったのはジョセフ。 ジョセフは斬り飛ばした腕をかじり、噛み砕き、飲み下す。 テラフォーマーにとどめを刺すのは劉翊武。 二人とも体のあちこちが欠損している。 劉は両腕がなく、ジョセフは右脚の膝から下がない。 ジョセフは見て分かるほどの速度で肉体を再生しており、その栄養補給のためテラフォーマーの肉片を食っているのだろう。 「艦長…薄々気づいてるんでしょう…?ならばあなたが死ぬのは…ここじゃあない…」ジョセフが言おうとしていることは何だろうか。 死に場所を得られなかった小町、なおも生存! 第123話 CHASER 追跡者 エヴァがミッシェルに電気ショックを施して蘇生を試みていたまさにその時、空を切って「何か」が彼女を襲った。 衝撃で吹き飛ばされるエヴァ。 糸でとっさに繋ぎ止め脱出機からの転落を阻止する燈。 振り返ったその目に映る人影は、中国班のジェット、そしてドルジバーキ。 劉や爆が乗った車両に合流するといってアネックスを飛び出した後は消息不明だったが、ここにきて最悪のタイミングで襲来。 先ほどエヴァを撃ったのはジェットが持つニシキテッポウエビの能力か。 ジェットはドルジとの連携プレイで燈の忍者刀を奪い取ると、脱出機の上で前後からの挟み撃ち隊形を採る。 脱出機の上には横たわるミッシェルとアレックス、驚異の再生能力を持ち斬っても斬っても(多分)死なないエヴァ、そしてすごく臭い八重子。 今まさに命がけの攻防が始まらんとする脱出機。 一方、アシモフらが乗った車両の上で捕虜となった西(シイ)が目を覚ました。 「やって貰うことがある」アシモフの鋭い眼光が西を射抜く。 思わず身をこわばらせる西。 果たしてアシモフの要求とは!? 第124話 KRABI-KRABONG 剣と棒 貧民街出身で食い扶持にありつくため軍に志願したジェット。 子供の頃から武術を学び強くなりたいと思っていたらしい。 彼が老師から教わったのは「カビー・カボーン」(KRABIKRABONG)と呼ばれる二刀術。 燈の忍者刀を奪い、刀と鞘を両手に構えたジェット。 燈は糸とカマキリの刃を組み合わせた鞭、もしくは鎖鎌のような武器。 舞うように剣を交える最中、巧みに糸をつかってジェットの腕を封じる燈。 瞬時に戦法を切り替え、足技を繰り出すジェット。 燈の首筋へハイキックが入ったと思いきや、体勢を崩し、膝をついたのはジェット。 攻撃を食らいながらも燈はジェットの右脚をくるぶしから切断。 ジェットは冷静な表情で燈の戦力を分析。 この余裕はおそらく再生能力によるものだろう。 甲殻型のため瞬時に再生が可能。 さてもう一人はドルヂバーキだ。 彼がまともに戦闘したシーンはなく、モンゴル出身で鼻がいい手術ベース、くらいの情報しかなかった。 今回はエヴァと対峙し名乗りを上げる。 出自は普通の家から普通に軍人になっただけで回想すらない。 ドルヂバーキは野性味あふれる見た目と裏腹に、極めて常識的かつ紳士的だ。 エヴァがおとなしくするなら傷つけることはしないが、目的遂行の障害となるなら容赦なく殺害すると宣言。 戦場に似つかわしくない男気あふれるスポーツマンである。 エヴァの不退転の決意を確認すると、彼は静かに目を閉じ…。 雷光よりも疾くエヴァの懐へ潜り込み、ミドルアッパーから足払い、転倒したエヴァに馬乗りでラッシュ。 中国班のメンバーのほとんどは、その特殊能力とは別に「職業」として対人格闘の訓練を積んでいる軍人である。 ドルヂバーキは変態しても見た目にこそ大きな変化はなく、「ただの毛深いオッサン」と言っても通じる程度の姿ではあるが、人間として習得している殺しの技術はエヴァのそれと比較にならない。 一方のエヴァはプラナリアの再生能力があるため、普通に殴って殺傷しようとしても難しく、電撃が当たれば一撃で相手の内臓まで焼く。 だから最後は捨て身で相手に接近して直接電気を流せばいいはずだ。 今はドルヂバーキの方から密着してくれているのだから、一瞬の隙さえあれば勝機はある。 第125話 ANOTHER ONE 護る者と勝ち取る者 ジェットは燈から奪った忍者刀を持っているが、鞘を衝撃波で飛ばし燈の喉を突く。 受けた燈は「明らかに投げた威力じゃねー」。 メキメキと骨が音を立てる。 相当に重い攻撃だったようだ。 燈が切断したジェットの右足は一瞬で何事も無く再生している。 投げ技からマウントポジションを獲った燈に、ジェットは起死回生の衝撃波を叩きつけ内臓を揺らす。 続けて顔面へ2発目。 白目をむき、膝をついた燈の首筋へジェットが忍者刀を突き立てる。 雨音だけが火星の空に広がり、勝者を静かに讃えていた。 第126話 TOO EMPTY TOO LIVE TOO YOUNG TOO KILL 2つの命 まだ燈が火星に向け地球を離れる前のことだ。 蛭間七星はとある用件で応接室に燈を呼び出した。 話の中身は燈の実の両親のこと。 U-NASAでは調べはついており、燈が希望するならその情報を開示する。 その意思確認だった。 燈はそれを知るべき時は今ではないと笑顔で拒否、任務完了後に考えると返答する。 七星は承諾し、専用武器である忍者刀・膝丸を燈へ託す。 膝丸の特殊能力は12種類あるらしいが、そのうちの1つについて解説がなされる。 忍者刀・膝丸は自ら超音波を発し、燈の手術ベースであるオオミノガがそれを反射する時の波長を感知して起動する。 つまり燈からのシグナルがない場合は性能を発揮しない。 つまりジェットが燈の首筋に斬りかかっても起動状態にない膝丸はナマクラの包丁と同じで、燈の頭部を切断するにはまったく及ばないということらしい。 確かにランカー上位の専用武器はテラフォーマーに強奪・回収された場合を想定し、能力との噛み合わせがないと活用できない仕組みになっているのが前提だ。 アドルフの電撃手裏剣、ミッシェルの加速装置、加奈子のエアロパーツなどを思い出して欲しい。 仮に回収されてもテラフォーマーではそれを活かせない。 だが膝丸がもし普通の刃物として十分な切れ味を持っていたらテラフォーマーでも簡単に使えてしまう。 それでは携行条件に合致しないのだ。 ジェットが渾身の力を込めて首を横に薙いだ忍者刀は、主である燈を絶命せしめることなく表皮で留まる。 ジェットが目を見張った次の瞬間には、燈はその両腕を大鎌に変態させジェットの両脚を切断していた…。 第二の能力・張明明から受け継いだ「ハナカマキリ」に覚醒した燈。 今回でようやく能力の出自が明言された。 空中戦艦をも斬って捨てる驚異の斬撃を前にジェットはなすすべもなく防戦。 最後に繰り出したキャビテーションも届かず、衝撃波ごと袈裟懸けに斬られ脱出機から転落。 明確な死の描写はないが、生きているにせよ相当な深手だ。 ひとまず決着。 自分の力だけでは勝てなかった。 自分に2組の親がいることに改めて感謝を述べ、呼吸を整えた燈が見やった方向にはエヴァをボコボコにした荒ぶるドルヂバーキが待ち構えていた。 第127話 BOERTE CHINUA 蒼白の狼 対峙する燈とドルヂバーキ。 勝負は一瞬だと燈は覚悟を決め、制空圏に入った瞬間の居合いに全てを賭ける。 だが、敵が間合いに入ったことを感知する暇すら与えられず、次のコマですでに密着を許してしまっていた。 ここでバーキの能力がハイイロオオカミであると明らかになる。 能力はニオイで世界を「視認」できること。 我々が高いところに登って遠くまで見渡すと、ずっと向こうで煙が上がっているのが見える。 それで何かが燃えていると分かり方角やおおよその距離を判断できるのだが、イヌの場合はそれと同じことを目でなく鼻で判断することができるというわけだ。 その嗅覚をプロの軍人が対人格闘に応用するとどうなるか。 筋肉が発する乳酸の臭いで相手の眼球運動が把握できるらしい。 だから動きが読め、敵を圧倒できるという理屈。 なすすべもなくラッシュに沈んだ燈。 容赦なくトドメを浴びせようとするバーキの前に、八重子が身を挺して割り込みクスリを使う。 バーキはその意図を察し、親切にも忠告する。 臭気でダメージを与えることはできないと。 八重子の能力はシマスカンク。 テラフォーマーの群れが進むのをためらうほどのニオイを発する。 イヌのような嗅覚に優れた動物なら気絶させられるのでは?と考えるのは自然な流れだが、バーキもそんなことは承知している。 イヌは人間の1億倍の嗅覚を持つと言われるが、1億倍の強さでニオイを感じているわけではないらしい。 バーキも決して無駄な争いを望んでいるわけではなく言葉で解決できるならそうしたいが、八重子も黙って仲間を見殺しにはできない。 イチかバチか、やってみなきゃわかんないと意を決して分泌液を尻から飛ばす八重子。 せっかく放った分泌液も手で軽く払われてしまった八重子。 万事休すかと思われたが、このアクションの裏で燈はこっそり糸を紡いでいた。 その糸はドルヂバーキの鼻に向かっており、八重子の分泌液は糸を伝ってダイレクトに鼻の粘膜へ!! くさやの16,000倍とされるニオイの源、有害成分「ブチルメルカプタン」が直接ドルヂバーキの嗅覚細胞を破壊する。 顔を手で覆い絶叫しながら車上を転げまわるドルヂバーキ。 その背後にユラリと立ち上がるエヴァ=フロスト。 彼女が放った電撃を起点に、スカンク由来の引火性ガスが大爆発を起こす。 ドルヂバーキの巨体が軽やかに宙を舞い、脱出機のはるか後方へ墜落。 「まったく…失礼なヤツだったわ」安堵する八重子の足元で昏倒し白目をむいている燈…。 第128話 THE SELFISH GENE 延長された表現型 第129話 TERRA FOR MARS 誰が為に 息つく間もなく、凱将軍に操られた『ゾンビ』ゴキブリが迫る。 地球では首相たちがなにやら動いているようだ。 皆殺しをもくろむ凱将軍とは裏腹に、中国首相は帰還を命じる。 ドイツ、日本、アメリカにもなんらかの情報が伝えられたようだ。 火星に走る『フロンティアスピリッツ』からの通信。 健在なもの、倒れているもの、燈は捕まっている。 伝えられるアシモフの娘と孫の無事。 アシモフは発奮、燈も果敢に反撃を試みる。 小町一行はバグズ1号の着陸地点にいた。

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